悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

鉄の女 サッチャー元首相死去

偉大な政治家だったと思う。11年間も国のトップを務め、英国病と言われた先進国が陥る経済不振からの再生を成し遂げたとされている。
一方、いまだに恨んでいる人もいるくらい徹底したやり方であったようだ。
後ろ盾もなく、それだけに思いきったことをやり遂げることができたのだろう。日本の二世代議士ばかりの政治の世界では講演会のしがらみや政治家同士の取引などがあり、「痛みを伴う改革」は口先ばかりで中身はスカスカ。いつも痛みを伴う部分は国民ばかりで先に進まないというのとは随分と違うと思う。
先進国病はみんなサッチャーの政治手法をお手本に国の立て直しを図ったと思う。結果が出たくにあるだろうが、うまく行かなかった国も多い。それだけ実行するためには強い意志と行動力が必要なのだろう。
清貧で正しいと思う道を突き進む、そういう政治家だったのだろう。猫の目のようにくるくる変わる日本の政治家は脇が甘いというか叩けば誇りどころか恐ろしいものがたくさん出てきそうだし、そもそも野党も与党もそういう部分での足の引っ張り合いくらいしかする能がなく、掛け声ばかり、パフォーマンスでしかない。
世界の先進国の中で国の代表がこれほど変わる国も珍しい。改革をするにはしっかりとした政治の信念、理念を持った人を選ばなければならないが、日本の国民がこれを望まないということも一因なのだろう。

ともあれ、11年間という長い首相の間に多くの改革を実行し、フォークランド紛争という戦争にも勝利した。費用対効果を考えるとイギリスは損だったという考え方もあるが、国民に対してしっかりした姿勢を見せたため、経済改革はともかく国のリーダーとしての人気はアップしたそうである。
どこかの国の世論を気にするあまり、自国の発展にマイナスになるような発言を繰り返す日本の代表とは全く異なる。リーダーたるもの外交の世界でもきちんと存在感を示すべきだが、これほどコロコロ変わっていれば世界から大いに馬鹿にされ、軽く見られても仕方ない。


晩年は痴呆症が進んでなくなったようだが、政治家としてしっかりと足あとは残した人である。冥福をお祈りする。

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