悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

WBC オランダ戦

今までの貧打ぶりが嘘のような大爆発だった。しかもホームラン5本?
東京ドームはホームランが出やすいということもあるがやはりピッチャーの質なのか?
初回の打率0割のトップバッター鳥谷の初安打がホームランというスタート。これが勢いをつけたのは間違いない。
1番の起用自体も少し話題になっていたが、結果を出してズバリ用兵があたったということ。
そしてオランダといえばキューバや韓国をも倒した強打だが、先発の前田が素晴らしかった。
まさにノーヒットノーラン男の真骨頂で、強打のオランダ打線もてんてこ舞いというのがピッタリのベストピッチングだった。

開催前は弱小ジャパンの評価が高かったが、いざ戦うとしぶとい戦い方をする。2大会続けて優勝したのも決してまぐれではないということが今回もきちんと証明してくれている。
野球は当然アメリカが本場で歴史も長いが、短期決戦、特に国民的行事だった甲子園、高校野球という野球文化が日本は非常に長く、指導者も選手も短期決戦のことをよく理解し、試合をうまく進めて戦っているという印象。
圧倒的な強打や剛速球が出てくればそれらも通用しないが、現時点では日本チームはうまく戦っている。
やはり最大のライバルは日本の野球に対して十分研究し、またモチベーションも大幅にアップする韓国なのかもしれない。

さてもうひとつのブロックも大荒れのようである。スター軍団アメリカが初戦で負ける。メキシコにである。メキシコが弱いということはない。ただしあのメジャー集団のアメリカが負けるというのが問題。
結局野球というものはスターを並べれば勝てるという簡単なものではないらしい。特に短期決戦ではそうかもしれない。
長嶋監督時代の巨人がそうであったようにトップバッターから4番バッタークラスのホームランバッターばかりを並べて勝てると言うことではない。
特に短期決戦では状態の良い投手がめまぐるしい継投をしてくる。バラエティに飛んだ投手を揃えたチームに対し、それを打ち崩すのはなかなか難しいのかもしれない。強打者と言えども。
そして強打者にありがちなのが小技を使えない点。送りバントや盗塁、エンドランなどはやはり1番や2番を経験した人、とくに高校野球でみっちりと鍛えられた日本人とはかなり違うのではないか。
フェンス直撃のシングルヒットも鳥谷のフォアボールもランナーがいなければチャンスとしては同じ。むしろ歩いた鳥谷のほうが盗塁で進塁、そしてワンチャンスにしぶといヒット。こういうパターンが日本の勝ち方。
強打者のシングルヒットは見ていても気持ち良いが、次の打者がいいあたりをしても野手の正面であればゲッツー。日本の投手は多くのチームの中軸である外国人選手の強打者を相手にしており、強味と弱味をある程度知り尽くしているところがある。うまくボール球を振らせることで対応している。
外国人の強打者には鳥谷のようにじっくり見て歩くということができないのだろう。打てそうな球ならブンブンと振っていく。
昨日の前田のようなピッチングは圧巻だが、そこまで行かなくてもある程度討たれてしまうのは仕方なくとも、要所を締める、出塁させた後打ち取る事が出来れば良い。

昨日の大勝で気になったのが失点。その失点も無駄な失点である。内海の出来はそれほど悪くなかった。抜けるような球がいくつかあったが、もともと変化球はよく抜ける。それが持ち味でもある。しかしストライクと思って阿部が立ち上がるのが早すぎる。あれは審判に対して非常に印象が悪い。あそこは間違いなくストライクだと思うが、そのままきちんとキャッチングしていればストライクのコールがあったのではないか。あるいは次にデッドボールもなかったと思う。流れを変えるワンプレーだったと思う。
阿部自身、チームの中心選手であるが、出来は良くない。そのあたりのこともあるだろうが、しっかりとしてほしい。
大量点で気が緩んだというのは間違い無くある。次の試合にしっかりと備えてほしい。


WBCは世界的には盛り上がってないというが、日本ではやはり注目される。お金の分配では色々と揉め事を抱え、今後の展望も決して明るいとはいえないが、やるからにはやっぱり勝って貰いたい。

応援している。

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