悪魔の尻尾

みなさ~ん、元気にしておりますか?

紙の月

画像はAmazonより

原作は読んでいないのですが、映画を見ました。
角田光代さんの小説だそうです。
監督は大好きな映画の一つでもある「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八さんですね。
ドラマのほうが先にあったみたいで、そちらは原田知世さんが主演だったそうです。


銀行員による巨額横領事件がこの物語の内容です。
もちろんこれは物語でありフィクションなのですが、ベースとなる実話の事件がいくつかあります。
有名なところが、伊藤素子による巨額横領事件でした。

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似たような案件がいくつかありますが、どれもこの小説と同じく自身の贅沢のためにお金を横領したというよりは男に貢ぐために横領したというものです。
銀行員の横領事件は細かいものをいれるとかなり多く、入社前には保証人が必要です。
そして過去には片親の家庭、母子家庭とかは銀行員になれないというのがまことしやかに言われていたものですが、お金を扱うだけにこのような横領事件があった際に損害を賠償させる能力があるかどうかと言うのが採用の条件となっていたことは間違いないです。
今も同じようなものだろうと思います。
ともあれ、銀行員というのは公務員と変わらぬほど信用性が高い職業で、サラ金からお金をつまむ場合でも初めての場合は上得意様扱いなのでしょう。
所得もあり、身元も確かな人という証明でもあるからですね。
ただ、身元が確かな職業と言われていても、一皮むけばただの人。
横領などの犯罪には手を染めていないものの、サラ金で首が回らない人たちって結構いるというのを耳にします。

話がそれました。
この映画では、傍目には幸せで所得もかなりありそうな家庭の主婦である梅澤梨花が銀行のパートとして再び働き始めるところからスタートします。
ミッション系のスクール、いわゆるお嬢様学校育ちの梨花ですが、若い頃に夫と出会って結婚したものの、子宝に恵まれず、暇を持て余しているような状況。
夫は食品会社のある部門の責任者でもあり、上海に長期出向することになります。
銀行員のパートとして真面目に働く彼女には顧客もおり、視点での評価もまずまずですが、ある顧客の孫である青年と出会ってしまいます。
その顧客は大変な資産家ですが、孫は金がなく学費も支払えない状況。
彼女はその青年にお金を援助しつつ深い仲へと発展します。
そして打ち出の小槌のように銀行の金を横領し続けるという物語です。
なんでこんなに年の離れた若い男に人様のお金を横領してまで貢ぐのか?という疑問がありますが、伊藤素子の事件以外にも実際の事件もいくつもあるように、銀行員の女性の横領事件、詐欺事件にはほぼ男の影がつきまといます。

さて梅沢梨花を演じているのが宮沢りえさんです。
彼女の夫役には田辺誠一さん。
そして出会った男性が大学生で演じているのは池松壮亮さん。
10年ほど前の映画ですから、大学生役にぴったりです。
ちょっと影のある目立たない男という雰囲気ですね。
シン・仮面ライダーでも影のある男という感じでしたね。
脇を固める俳優たちも良かったです。
ちょっとだらしない感じのする女性銀行員を大島優子さんが演じています。
その正反対にとても真面目に銀行業務に取り組んでいる独身女性「御局さん」を演じているのが小林聡美さん。
さまざまな脇役の力があってこその映画ですね。

 



祝福されない恋というか、夫との冷めた関係から若い男にのめり込んだ女性が勝手に暴走しているだけで、そこは三和銀行オンライン詐欺事件とはかなり違うところですね。


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