先月視聴した映画で、この作品について語るべきか語らざるべきかちょっと迷ったのです。
時間経過とともに映画の内容もかなり薄れてきて、少し書いてみたいなと思えるようになりました。
最近の本、特にラノベはやたらと長いタイトルが付いてます。
それはそれでマーケティング上意味があるのでしょう。
そしてタイトルが語るその内容ですべてが分かってしまうようなところもあります。
このタイトルもそのまんまでした。
原作小説と同じタイトルにしたらいいのに、なぜか、若干だけ短く変更されています。
原作は、「余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話」となっています。
うーん、変える必要あったのでしょうかね。
最後に「。」をつけるところなんかもなんか「君の名は。」みたいな感じで。
ともあれ、タイトルから、きっとお涙頂戴のラブストーリーなんだろうというのは見る前から想像がつきます。
イケメンと美女、映画の中の世界だとわかっていても、見るものを引き付けるにはある程度そういった要素も必要です。
そこは否定しません。
リアルに、ドキュメンタリータッチで描くと、それは映像作品として、娯楽作品としては鑑賞できなくなってしまいます。
現実の闘病はこんな美しいことはありません。
まあ、病気にもよりますが。
この映画は一人で見ました。
このたぐいの映画を妻と見ることはないと思います。
批判めいた口調で書いていますが、やはり見てしまうと泣いてしまいますよね。
それが普通の人の感覚だと思います。
作り手が見ている人たちを泣かそうとしている意図がありありとわかっているのですが、溢れてくる感情が理性を超えてしまう、だから涙が自然に出てしまう、そんな仕掛けがあります。
主人公は余命一年と宣告される早坂秋人。
もう一人の主人公が余命半年で入院している桜井春奈。
もう名前からして漫画というかラノベしています。
そしてその名前のように春に桜が見れるかどうか?という余命。
その半年後の秋に命が消えてしまう余命。
そのような意味もあるのかな?なんて思ったりもしました。
絵の才能があり、二科展を目指す秋人は体調不良のため病院で検査を受けると、心臓に悪性の腫瘍が見つかり、余命1年の宣告を受けます。
そこで生きていく希望を失った秋人は、病院で絵を書いている桜井春奈に出会います。
彼女も重い病気のため、余命半年と宣告を受けているのです。
幼い頃より病弱だった春奈は自分の命の時間を冷静に見つめて、しっかりと生きています。
その姿を見て秋人は自分の病気のことを伏せて彼女に寄り添うことにしました。
同い年の若い二人は、意気投合。
淡い恋心も二人にとっては”期限付き”なんですね。
最も美しく、夢も希望も溢れて弾けている年頃です。
さて、早坂秋人を演じるのは永瀬廉さん。
ジャニーズ、King & Princeのメンバーだそうですが、爽やかイケメンですね。
おっさんには全く興味のない方ですが、幅広い女性陣からは圧倒的な人気がありそうですね。
そしてもうひとり桜井春奈を演じている女性が出口夏希さん。
名前とイメージが全然合わない感じがしますが、彼女は雑誌セブンティーンのモデルを長らく努めていたそうで、モデル上がりの女優さんですね。
そんな二人の儚い淡い恋を描いた作品。
涙を誘うための仕掛けは、彼女の家族の過去と友人との過去にもあります。
そして足繁くお見舞いに訪れる秋人が立ち寄る花屋さん。
花言葉もこの映画の大事なフレーズでしょうね。
二人の主人公をもり立てる脇役として、秋人の父親役に仲村トオルさん、母親役に大塚寧々さん。
松雪泰子さんは、春奈の母親であり、この病院で看護師でもあるという役回りです。
春奈の幼い頃からの親友で、現在は仲違いしている三浦綾香を演じているのは横田真悠さん。
秋人がお見舞いに行くときに立ち寄る花屋さんの店主が木村文乃さんです。
ジャニーズファンが見る映画なのかな?とも思いますが、重たいです。
「君の膵臓をたべたい」とよく似た映画だなあ、と思っていたら、脚本が同じ吉田智子さんですね。
こういうのが得意なのでしょうかね。
泣かされてしまいますね。