サイバーエージェントの若き社長。
ITバブルの寵児。
最近ではブレークしたゲーム「ウマ娘」で有名ですよね。
そんな藤田氏が社長になるまでの話を含めた自伝と言える本ですね。
目次
プロローグ
1章 裏切り、それでも手放せなかった夢
2章 ゼロからの企業
3章 ネットバブルの波に乗る
4章 バブル崩壊、孤独と彷徨
5章 ランナーズ・ハイ
あとがき
内容
ミュージシャンを諦めた青春時代。
20歳のときに決めた自分の夢は「21世紀を代表する会社をつくる」こと。
福井県鯖江市で生まれた藤田晋。
それほど勉強もしなくてもそこそこ勉強はできた子供の時代。
そんな彼が、高校3年生の夏にミュージシャンを諦め、東京での大学生になるために勉強をはじめました。
なんとか受かった大学が青山学院大学経営学部でした。
大学にはあまり行かずに雀荘に入り浸り、ついには雀荘でバイトとして働くことにもなります。
こんな生活をしていてはダメだと感じつつも、雀荘をやめてからはバーで働くことになります。
そのバーのマスターに触発されて、自分の夢を思い起こして動きはじめました。
たまたま買った「フロム・エー」でリクルート出身者が作ったベンチャー企業のオックスプランニングセンターへアルバイトをすることになります。
フリーペーパーの広告営業でしたが、何をする業務なのかはあまり気にしなかったようです。
ここでの飛び込み営業で、藤田氏は度胸、要領、ハッタリなどの微妙な感覚を磨いたようです。
仕事を始めたばかりの藤田氏は、歌が下手でミュージシャンになれないと自覚していたのと同じ理屈で、仕事ができない=経営者になれないと考えているのでした。
がむしゃらに働く藤田氏はバイトながら、社内で仕事を任せてもらえるようになります。
バイトでありながら、経営者からも影響を受け、経営的な視点を持って仕事をし、会社に接していたのです。
会社を起こすチャンスがやってきたのです。
影響を受けた人との出会いがあり、その方に力を貸してほしいと誘いかけはするのですが、結局は不義理となるなどの苦い思い出なども。
会社はIT業界が営業に弱いため、持ち前の営業力を生かしたものにしました。
しかしテクノロジーについては素人で、学びながらやっていったわけです。
ITバブルにギリギリに乗っかり、大きな資金を手にしたこと。
それによるやっかみもありました。
同時に株を買ってくれた資本家に対する責任に押しつぶされそうになる経験もしています。
感想
成功者とひとくくりにしてしまえば、味気ないのですが、やはり成功者で多くの人の羨望を受ける立場になっています。
ただ、誰もが藤田氏のようになれるわけでもなく、またここまでになるためにはやはり相当な努力もしているでしょう。
努力して、目一杯頑張るというのは基本みたいなもので、それすら腰が引けているような人間(私のような)には到底目指せるものではないのでしょう。
仕事はできて当たり前です。
この本でも述べています。
引用
私には、「歌ば下手=ミュージシャンになれない」ということと、「仕事ができない=経営者になれない」というのは同じことに見えていたのです。
プラス強運も必要で、危険なものを嗅ぎ分ける嗅覚のようなものも必要なんでしょうね。
引用
私は自分でも素直なタイプだと思いますが、あまり人に騙される事はありません。貪欲に色んな人の話を聞きつつも、怪しい臭いを感じると、さり気なく遠ざける能力がいつのころからか備わっていたのです。
自分の武器(営業力)を持ち、人に恵まれ、運をも見方に引き寄せる、そういう人物だからこそ、サイバーエージェントという会社を史上最年少で上場させることができたのでしょう。