女房と息子で見に行ってきた。
映画の券があり、しかも3Dの券なので3Dで見るにふさわしい映画を選択。
息子はシュワルツネッガーとスタローンの「大脱出」を目論んでいたようだが、結局女房は「ゼログラビティ」を見ようと言い出して、そちらを見ることになった。
予め、出演者は二人でストーリーらしいものはなく、宇宙空間をただただ漂うだけの映画という知識はあった。
それでもそれなりの評価を受けているようで、まあ3Dで見るのなら見てもいいのかなと思っていた。
息子は「アポロ13号」の時が非常につまらなかったようで、あまり気乗りしていない様子だった。
あんまり期待せずに見に行った。
劇場は狭かった。そして満員。座席がいいところが取れず、最前列。迫力のある映像が楽しめると思っていたが、見上げるような姿勢で非常に疲れた。
あんまり期待しなかった、それが良かったのかもしれない。
ただただ、宇宙空間に放り出された主人公が地球に生還するまでを描いた映画である。
しかし圧倒的な映像で楽しませてくれるのである。
3D映画の良さを存分に活かした演出だったと思う。
そして宇宙をテーマにした映画は数あるけれど、どれもドラマを中心に描いたり、エイリアンや異星人との遭遇やら…
その点この映画にはそういったものは一切ない。いわばストーリーを文章で読むとおそらく非常に退屈な作品になる。
映画も合わない人にとっては本当に退屈な作品だと思う。
リアル。
それが全てだと思う。今までの宇宙を舞台にした映画はそういう点がかけている。
無重力状態とはこれだけ不自由でトラブルが合った際には人間の力なんてほぼ無力である。圧倒的な絶望感を描いている。
しかしこの何もない映画に一つだけ人間としてのドラマ、テーマがあるとしたら、それは生きるということを再度考えさせられることである。
ネタバレになるが、一人取り残されたサンドラ・ブロック扮するライアン博士は宇宙空間で生き抜くことを諦めるシーンで、死んだはずのジョージ・クルーニー扮するコワルスキーが登場し、語るシーンがある。コワルスキーはライアンを助けるために犠牲になった人間であり、生きるということに対してポツリと語る。このシーンは後々にも残るジーンとくるシーンである。
さて、この映画をつまらないと感じるかは見る人次第。
そしてDVDで家のテレビで見ても楽しくはない映画。3Dの映画で見てこそ楽しめる映画である。