悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

パーフェクト・ブルー 宮部みゆき

元警察犬マサが主人公?ではあるまいが、この犬を通して語られる。
高校野球のスター、諸岡克彦の死。そしてその弟の進也。まるでどこかのアニメ、のような展開?
ではなく、大手製薬会社の新薬開発をめぐる闇の部分と絡んだミステリー。
途中までは面白かったが、エンディングにかけては物語が大雑把になったというか理不尽な気持ちでいっぱい。ストーリーがこじつけすぎて受付なかった。
ミステリーとしても読み物としてもガッカリ感が大きい。
せっかく私の中で宮部みゆきの評価が上がっていたのに残念。
「ぼんくら」や「クロスファイア」が面白かっただけにデビューの頃はこの程度だったのかと思ってしまう。やはり後の作品のほうがずっと面白いのだろう。
野球のパーフェクトゲームもなかなかお目にかかれないが、基本的には超人が出るわけでもない現実的な話だが、終わりの頃にはだんだんとそうではないかと思いつつも、やはり真犯人があれではなあ。無理がありすぎ。登場人物の心理がある程度理解できないと感情移入ができず、読み手が興味を持てない。途中まではミステリーとして謎を解く楽しみがあった。軽妙な会話も悪くない。しかし終盤にかけてなんだが強引な展開が気になり、真犯人はありえない設定。そこに持っていくために言い訳がましい感じもあって納得出来ない。
うーん、消化不良である。ほんとうに残念な作品。
読むなら別の作品の方がいい。

パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)

パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)

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