直木賞作品とは知らずに読んだ。
いわゆる中学生の青春モノ小説。2ちゃんねる的に言えば厨房小説ってところか。短編がいくつか連なっている作品である。
主人公は最も地味なテツロー。頭脳明晰な皮肉屋のジュン。食いしん坊の巨漢のダイ。お金持ちだけど不治の病のナオトが仲間。
不良ではないが、真面目な学生とも言えない。なんとなく感覚的に自分の子供の頃とカブるところがある。当然時代も地域も違う。
どの短編もセンセーショナルなものがテーマとなっており、魅力がある。
中学生男子の友情もあれば、性に目覚めていくものや、死について考えさせられるようなものもある。世俗的な内容を中学生の主人公であるテツローという純なフィルターを通して語られる。
なかなか良い作品だった。
オススメである。
なお、ドラマにもなっていたらしい。そちらはどうだったのだろうか。見ないほうがいいかもしれないな。
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/26
- メディア: 文庫
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この作品にはマウンテンバイクが登場する。それもあのTREK社製らしい。
東京の街乗りなら、クロスかロードのほうがよさそうなんだけどね。私の子供の頃にはマウンテンバイクなってなかったな。