悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

管仲 宮城谷昌光

まだ上巻を読んだだけ。
恵まれた環境で育った鮑叔とは違い、管仲の若いころは本当に恵まれていない。
なんといっても母親が悪すぎる。唯一の理解者であった父親が亡くなってからは気の毒としか言いようがない。鮑叔という人間がいなければ、歴史に名を遺すことなく、野垂れ死にしていたのではないだろうか。
そういう意味でこの本の主人公ではないが、鮑叔という人間にとてつもない魅力を感じる。
もちろん春秋時代の最大のヒーローである管仲がこの本の主人公なので、下巻での活躍を期待したい。ここまでの管仲は優れた人物であることはわかるが、まだ何も活躍したという部分がない。むしろ人間としては鮑叔のすばらしさにかすんでしまっている気がする。
「管鮑の交わり」「我を生むるは父母なれど、我を知るは鮑叔なり」
まさに管仲を語るためには絶対に必要な人物が鮑叔で、彼の活躍も下巻でも期待したい。
下巻では華々しい活躍と斉の桓公が初の覇者となるまでが描かれると思うが、中国の歴史を見ると合従連衡をはじめとする様々な駆け引きがあり、島国である日本とは外交感覚という点で随分と違うと感じる。

 

管仲 上 (文春文庫)

管仲 上 (文春文庫)

 

 

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