悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

サムの息子

サムの息子法という言葉がひとり歩きしている気がする。
少年Aこと酒鬼薔薇聖斗が手記を出版し、それが非常に注目を集めている。
バカバカしい。
今更な気もする。
しかし再びこの事件が注目をあびることに遺族の心境はいかに。
出版すべきでない。
いや、遺族の感情はともかくこの様なサイコキラーの言葉は意味がある。
あるいは興味本位で知りたい人も。
これほど残忍な事件にも関わらず、少年法に守られた少年Aは実名を明かすことなく約2000万円もの印税を手にするとも言われている。
それに対してちょっと待てという人も多い。
こんな本が売れて、出版社や犯罪者少年Aが経済的に潤ってなるものか。
そういう義憤に駆られたためかどうかはわからないが、ネットでこの本を公開して本を売れなくする運動をする人もいる。
あるいは売れたお金を遺族の保証に当てればいいじゃん。というのが「サムの息子法」というものらしい。
この「サムの息子」と呼ばれる犯罪者はアメリカで1976年から77年にかけて行われた猟奇的連続殺人事件である。
そこでは殺人予告など事件が「酒鬼薔薇聖斗、少年Aの事件」と非常に似通っている。
そしてこの事件で手記を出版し多額の報酬を得るのを阻止するために制定された法律として「サムの息子法」というものが制定されたらしい。
日本で言うならさしずめ、「酒鬼薔薇聖斗法」ということになるんだろうか。
どちらにしても気持ちの良くない話ではある。
先述したネットでの違法な公開も含めて、いろんな議論がある。
そこで思うのはこういう問題に対して日本の法律はあまりにも反応が遅い。
どうすればいいのか、どのように振り分けていくのか、交通整理をする機能が完全に失われていると思う。


ネット社会ですでに顔写真も探せば見つかる。
実名も以前の実名はほぼ晒されているようなものだが、現在の状況などは普通の方にはわからない。
これだけ大きな事件を起こし、社会的にも非常にセンセーショナルだったが、この少年がどのように更生されたのかは多くの人は知る由もない。
今回の本は読んでいないので書評はできないが、賛否両論。
個人的にはお金を出してまで読みたくはない。
しかし彼が本当に反省しているのかどうかは読んでみないとわからない。
多くの方はいろいろなバイアスがかかっていることを割り引いてもあまり反省していないという意見が多い。
小説仕立てでどこか他人事のようでもあり、そこには遺族に対する配慮は非常にかけているのではないか。
いくら配慮してもそのように書かれてしまうのは仕方ない。
誤って許されることではない。少なくとも遺族や被害者に対してはお詫びのしようはない。


読むべきかどうかは分からない。
好奇心、興味という点では読んでみたい気もするが、読んだら負け、というかこの本を購入するのは非常にムカつく。
注目度が高くすでにプレミア化しているらしいが、出版した出版社を含めて良い感情は持てない。

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