女房がBOOKOFFで手に入れたものである。
三島屋に居候の主人公おちかが不思議物語を集めて聞いている部屋「白黒の間」での奇怪な話。
とは言え、怖さよりもなんだかほっこりするような話が多く、また少し切ない感じの物語が多い。
このシリーズは初めてだが、以前宮部みゆきの時代劇では「ぼんくら」が面白かった。
それよりもずっと以前に霊験お初捕物控シリーズの「震える岩」なんかも読んだことがあるが、こういう時代劇も非常に面白い。
宮部みゆきは本当にいろんなジャンルでそれぞれ面白い作品を出していることをあらためて知る。
女房はもともと宮部みゆきの作品はあまり好きでなかったはずなのに、最近はよく気にするようになった。
「小暮写真館」がやっぱり良かったみたいだ。
「逃げ水」
年端もいかぬ小僧があ商家の番頭に連れられて「白黒の間」にやってきた。
彼がいると水が逃げる。そこら中の水がなくなってしまうのである。
その理由は「お旱さん」を祀っている祠の封印を説いてしまったから。
その「お旱さん」が愛らしい子供の姿だが、れっきとした神様。
可愛らしくも切ない物語。
「藪から千本」
双子を産んだ商家の話。
かつて双子は家(財産)をふたつに分かつと忌み嫌われたらしい。
そこに恐ろしい呪いが。
「あんじゅう」
紫陽花屋敷に住む不気味な物体。
暗獣だが、そこにすむことになった老夫婦に愛され、「くろすけ」と名付けられる。
不思議なだがなんとも切ない物語である。
「吼える仏」
この物語が一番怖いかもしれない。
個人的に偽坊主が出てきて話が面白かった。
もう少々怖さがあったほうがいいと思うのだが、期待するほうが間違っているのだろうか。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/07/01
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