悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ポンペイ

TSUTAYAでレンタル。
ブルーレイ。
古代ローマ時代のポンペイの街を襲った大噴火のお話。
しかしそこに両親を殺された怨み、身分の違う恋愛の話やローマとポンペイの政治的な話などが含まれ、さらにグラディウスとして闘技場で戦うという要素まであるので、何を主題として見せたいのかhちょっと中途半端感がある。
それでもらすとのベスビオ火山の噴火で街が破壊されるさまは迫力があり、現在のCGの技術なしではできなかったシーンだと痛感する。
こういう作品が作ることにかけては日本はもう永久に追いつけないと思う。
映画がすべて迫力あるシーンがないとダメという気はないが、映画館の大画面で見るならそういったシーンがないよりあったほうが良い。
俳優のズームアップでしばらく止まったままみたいなシーンが多いと正直疲れる。もちろん俳優さんの演技力や作品の内容にもよるが、アクションシーンや映画ならではの「ありえねー」というようなものが欲しかったりする。
まずキャストありきみたいな人気アイドルを使うための映画だと演技や演出が未熟で見ていられない。監督さんも大変だろう。後に賞などをとって巨匠と呼ばれるようになると若い頃のそういった作品は黒歴史になるんだろうか。

話がそれた。ポンペイで有る。
見るなら映画館。テレビで見るならできるだけ大画面。そしてブルーレイの画質。
それを強く推奨する。迫力あるシーンを楽しまないともったいない。
歴史的に有名な出来事であり、映画化も何度かされているようである。
この作品を見てから過去の作品を見ると名作と言われていたものでも映像的には物足りなさを感じるだろう。

話は北ブリタニアケルト人である主人公マイロが幼少の折、ローマ軍に蹂躙され家族は皆殺しになり、自らは運良く生きながらえるが、奴隷として育てられ、グラディエーターとなる。
新人グラディエーターながら才能を見出され、片田舎(ロンドン)で剣闘士をさせるのはもったいないと奴隷商人にもっと格上のところへ連れて行かれる。
一方ローマへ遊学していたポンペイの長の娘カッシアは故郷ポンペイへ戻る。その途中、奴隷商人の異動の一行と出くわす。カッシアの馬車の馬の1頭が突如暴れ、足を骨折。騎馬民族だったマイロは馬の処置を申し出るが却下される。しかしカッシアが認め、彼は馬を安楽死させる。
ポンペイに到着したグラディエーターはいきなり古参のグラディエーターたちから洗礼を浴びるが、そこには冷静に見守るポンペイグラディエーターのチャンピオンがいた。彼はここまで負けることなく(負ければ死あるのみ)、最期の闘技に勝つことができれば自由を約束されていた。
ローマの植民地となっていたポンペイはローマに対して服従するしかない。視察に来たのはコルブスという元老院議員。
表向きはローマの支配のための視察だが、本音は娘のカッシアとの求婚のためかもしれない。権力に物を言わせ、拒否させないつもりである。ローマで遊学中出会ったカッシアが予定よりも早く故郷に戻ったのも彼の執拗な求婚から逃れるためであった。
ポンペイでお決まりのようにマイロとカッシアは再び出会う。カッシアはコルブスという人間に迫られているので余計にそのような思いになったのかもしれないが、彼と一緒に逃げようと提案する。
一時は逃げるが、身分の違いからそれはできないとマイロは引き返す。
コルブスは彼を殺すように命じるが、カッシアが必死になだめて鞭打ちの刑で命は永らえる。
しかしその後、チャンピオンとマイロは闘技場で戦うことになる。二人は闘技場では命を奪い合う運命にあるが、お互いを認め合う。
チャンピオンは「明日お前に勝てば私は自由の身だ」と告げるが、マイロは「ローマが約束なんて守るものか」とそっけない。
そして闘技開催。
そこでは約束と違い、チャンピオンは一騎打ちではなく、チーム戦で、不利な闘いをさせられることに愕然とする。チャンピオンやマイロが含まれるチームは鎖を付けられ動きを封じられ、なおかつ人数も少ない。しかし能力にまさるマイロとチャンピオンは凌ぎきる。
カッシアへの求婚を迫っていたコルブスは闘技場でのカッシアの振る舞いに激怒し、彼女を物置に閉じ込めてしまう。
そこでベスビオ火山の大噴火。
闘技どころではなくなってしまう。
カッシアの両親は死亡し、マイロとチャンピオンは協力して積年の恨みを晴らそうとする。
マイロはコルブスを追い詰めるが、チャンピオンはローマ有数の兵士と渡り合って死亡。
マイロとカッシアの主人公カップルが逃げきれるか?と思いつつも無理であり、彼女一人で逃げるように伝えるが、一緒に最期を迎えることを希望する。そして二人は火砕流に巻き込まれて死んでしまう。

ハッピーエンドではないので女房は消化不良気味だが、息子は冷静に見ていた。全滅することを歴史で知っていたので、彼らだけが助かるとは考えていなかった模様。

「24」でジャック・バウアーを演じるキーファー・サザーランドがコルブス役。つまり悪の親玉だが、こんなに悪役が似合うとは。
今後は悪役オンリーで十分ではないだろうか。
カッシアの母役は「マトリックス」シリーズでトリニティーを演じたキャリー=アン・モス。
ヒロインカッシアは美女の役どころだが、私にはイマイチ琴線に触れるところはなかった。彼女よりも侍女役のほうが綺麗に思えたのだが…。主人公はイケメンだけにもうちょっときれいな女性のほうが良かったと思うのだが、好みの問題かもしれない。
グラディエーターのチャンピオン役の黒人が格好良かった。結局死んでしまうのなら、ローマ有数の剣の使い手と刺し違えて死ぬというのが最高の形なのかもしれない。

ポンペイ [Blu-ray]

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