乃南アサのデビュー作らしい。
主人公志穂子は美しい女性。そしてそれを自覚している。
自分の将来はアイドルや女優。それを夢見、また夢ではなく必ず自分はそうなれると思っていた。
しかし運命のいたずらなのか、自分と瓜二つのタレントが少し先にデビューし、すぐに売れっ子になってしまう。
転落の一途を辿る志穂子。
女の幸せとは、なんなんだろう。
後半、志穂子の気がふれ言動や行動がおかしくなっていくところがあるが、どこかつじつまが合わない点もあるものの、後輩の広美のように取り巻く人間の感情などが複雑に絡まり、恐ろしさが加速する。
エンディングがあまり後味が良くなく、そこがやや宙ぶらりんな感じがあるが、この作品でハッピーエンドはありえない。
あまり若い女性には読んでもらいたくないなあ。
- 作者: 乃南アサ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/09/30
- メディア: 文庫
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