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俺ではない炎上 原作小説とは違う結末に違和感

画像は公式サイトより

浅倉秋成さんの同名ベストセラー小説を、阿部寛さんと芦田愛菜さんの共演で実写映画化した「俺ではない炎上」。
原作のファンとして非常に楽しみにしていましたが、実際に観てみると、期待値が高かった分、少し複雑な気持ちが残る作品でした。

 

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あらすじ

大手ハウスメーカーに務める山縣泰介(阿部寛)は、ある日突然、彼のものと思われるSNSアカウントから女子大生の遺体画像が拡散され、殺人犯に仕立て上げられる。
家族も仕事も大切にしてきた彼にとって身に覚えのない事態に無実を訴えるも、瞬く間にネットは燃え上がり、“炎上”状態に。匿名の群衆がこぞって個人情報を特定し日本中から追いかけ回されることになる。
そこに彼を追う謎の大学生・サクラ(芦田愛菜)、大学生インフルエンサー・初羽馬(藤原大祐)、取引先企業の若手社員・青江(長尾謙杜)、泰介の妻・芙由子(夏川結衣)といった様々な人物が絡み合い、事態は予測不能な展開に。
無実を証明するため、そして真犯人を見つけるため、決死の逃亡劇が始まる――。

感想

主演の阿部寛さんが見せる、理不尽にすべてを奪われ、必死に足掻く姿の説得力や、芦田愛菜さんの確かな演技力は良かったです。
お二人のシーンは非常に見応えがあり、そこには文句なしの満足感があります。

しかし、それを上回る形で、個人的にはいくつかの大きな「不満点」が残ってしまいました。

1. ざらついた映像の意図が不明瞭
まず気になったのが、映像の質感です。
全体的にあえてざらついたような、どこか昭和のドラマや昔のフィルムのような画質になっていました。
今の時代、クリアで美しい映像表現がいくらでもできる中で、この作品であえてこの質感をチョイスした狙いが最後までよくわかりませんでした。
「綺麗な映像を見せるための映画ではない」と言われればそれまでですが、どうにも古臭さが勝ってしまい、ビジュアル面での物足りなさに繋がってしまった印象です。

2. SNS炎上の描写が表面的 
  「SNSで炎上していく恐怖」や「情報のスピード感・狂気」の描き方が、少々淡白に感じられました。
ネット社会の恐ろしさや、群衆が暴走していく気味の悪さをもっとリアルかつスリリングに描いてほしかったところですが、どこか他人事のような作りになっており、緊迫感が今ひとつ伝わってこなかったのが残念です。

3.どうして変えたの?原作と違う真犯人
ネタバレになるのであえて真犯人は書きませんが、見終えた後、「あれ?犯人違うのでは?」という違和感しかありませんでした。
映画では新しい「ミステリ」を楽しんでほしいという製作者の糸があったのかもしれませんが、この原作で描きたいのはミステリ部分よりもSNS、ネット社会の狂気を描きたかったと思っているので、そこを蛋白にしてミステリ部分で驚かせてやろうというのが私には全く面白くありませんでした。
そしてそういうことをするのなら、配役にももう少しちゃんとした「俳優」を当ててほしいですね。

文句を言いながらも2時間の映画を楽しむことはできました。
映画としてはちゃんとした出来栄えです。
原作を知らずに見るのも悪くはないですが、私は原作のSNSで炎上して特定されていく恐怖感が面白かっただけに、原作が好きな人は違和感しかないのではないかと思いましたね。


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