悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

日本の家電メーカー

パナソニックのここのところのの株価の低迷ぶりは凄まじい。SHARPはともかく松下は大丈夫という神話じみた部分もあったが、もろくも崩れ去ったという気がする。2年で1兆5000億円も赤字を出すというのは本当に凄まじい規模で想像もつかない。
昨年の赤字はサンヨーの買収で改革などに要する費用が計上されたためとなんて言い訳が通用したが、今年はどう言い訳もできず、社長自ら「我々は負け組」とってしまったから大変。まあ、実際正直な社長ということだろう。・
ともかく、今パナソニックで一番売れているのが株というくらい売れるものがない。消費者のニーズといか言いながら、大して使いもしない希望を付け足したわけのわからない製品のオンパレード。挙げ句の果ては社員ですらその機能の使い方を知らないという始末。そしてそんな機能をつけるものだから、製品として故障の確率は上がる。基本機能がが優れていればいいけれど、そちらは格安の海外製品と大差なく、要らない機能のために高価格、しかもトラブルが出やすいとなると誰も買わなくなる。要らない機能ということは間違いない。
なんであんな機能があるのか私なりに考えてみた。
多くの社員を抱えているものの、公務員みたいな体質。ハングリーさはない。クビにはできない。社内での失業対策みたいな部署が多く、それらの機能をつけることによってそういう開発やら検証やら人間が必要になる。そういった部分は当然社員でないとできないわけで仕事を作るために仕事をしているような状況ではないか。
ものを作るということには前提として売れるという必要があるが、売れようが売れまいが公務員体質な社員には関係ない。真面目に仕事に取り組んでいれば給料はもらえるわけで、本当にそんな機能が必要かどうかよりもその機能がなくなることによって整理される部署が出るほうが気になる部分である。当然そういうことには抵抗が強いのではないか。
家電が売れないことを為替や景気の責任にするのはあまりにも無能。もちろん日本の政府の外交のまずさもあるが。海外の携帯メーカーが日本に市場の閉鎖性を指摘した時には日本には日本の事情があるとか言って、国内でガラパゴス化を進めて儲けまくったのではないのか。国内のおとなしい顧客のお陰でぬくぬくとしていただけで、先見性がなくビジョンを示すような経営者もおらず、気がついた時には世界の流れに取り残されているということにほかならない。要らない機能満載で高価格な商品、生産と販売がシンクロしていない。売れる商品を企画する能力がない。なるべくしてなったとしか言いようがない。
恐ろしいのは、底が見えないこと。売れるものがない。いや、本当はあるのかもしれないが、今の高コスト体質を何とかしないと会社としては終わっている。平均年齢が50前とか普通じゃない。加齢臭ただよう親父ばかりの社員がいるメーカーに先見性のあるものが作れるはずもなく、まだまだ落ち込む一方ではないかと思う。
本当は応援したい。いいものを作る技術やノウハウはあると信じたい。価格で争えず、高品質で勝負という時代ではない。物が売れない時代だが、売れているものは売れている。日本の製品でないというのが情けないだけだ。
頑張って欲しい。いいおっさんがいうのもおかしいが。

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