悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

三国志 アンディ・ラウ

期待していなかった作品だけど、その期待していなかったにも関わらず、それすら裏切られたような気がする映画だった。アンディ・ラウという役者はよかったが、サモ・ハン・キンポーが微妙すぎる。敵役の曹叡役が女性であるのも意味不明。まあ、これは三国志ではなく趙雲という英雄を描きたかっただけだと割りきってもちょっと閉口してしまう。三国志ファンからは総スカンを食らう作品だと思う。
本来の主役である劉備曹操は言うに及ばず、関羽張飛すら脇役にも至らないというレベル。歴史的なところは全くと言っていいくらいなく、いい加減な作り。これを見て三国志を見た気になった人は本当にかわいそうだ。(まあ、そんな人はいないと思うけど)
三国志には個性的な豪傑が数多く登場する。だからその人物に絞った作品がいくらできてもいいと思う。孔明伝でもいいし、関羽でも張飛でもいい。もちろん曹操だっていい。呂布なんかも個性的ですごく魅力のある作品が作れそうに思う。しかしあまりにかけ離れた設定というか史実を無視した作りには三国志ファンとしては許しがたい。今回の作品も三国志という作品から見れば冒涜しているとしか思えないようなところがある。趙雲が優れた武将であるのはしっかりと描かれているが、劉備との出会いがあんなふうなのもおかしいし、長坂を単騎で駆け抜けたというのもあんな身分の時ではあるまい。やはり壮大なスケールの三国志の中でこそ登場人物、豪傑たちの生き様が素晴らしく感じるわけであって、映画の中で作り手が勝手に創り上げたものに感動はしない。そう強く感じた。
レッドクリフもかなり作りに無理があるが、この作品と比べればずっと力が入っているし、みられる作品。
三国志ファンは噴飯物三国志を知らない人は見てはいけない作品。したがってこれはみる価値のない映画と思うがいかがかな?

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