Netflixで視聴しました。
元風俗嬢がどういうわけか田舎の弁当屋さんで働きながら、色々な人生相談をしていくというお話です。
海がほど近い田舎町のどこにでもあるようなお弁当屋さん「のこのこ弁当」。
そこで看板娘として働くちひろさん。
彼女は明るく、どんな人でも別け隔てなく接する素敵な女性です。
元風俗嬢であることを隠すわけでもなく、堂々と胸を張って生きています。
この街に住み着くホームレスの「師匠」が腕白小僧にいじめられているのを助け、食事をさせ、かなり異臭がするので風呂で体を洗ってあげたりします。
「のこのこ弁当」の店長とパートのおばちゃん。
ちひろさんも一緒に地味な作業もこなしています。
風俗嬢時代からの友人、バジルさん。
トランスジェンダーです。
なぜだかちひろさんに惹かれるのか、こっそりとちひろさんをマークする女子高生の「オカジ」。
それなりに裕福で幸せそうに見える過程ですが、彼女は家では心を割って話せるスペースが無いようです。
入院中の「のこのこ弁当」の店長の妻の多恵さん。
ちひろとはウマが会うのでしょうか。
大変仲が良いです。
風俗嬢時代に店長だった内海。
バジルさんは内海のどこが良いのでしょうかね?
バジルさんには知らせずに、ちひろさんは内海と出かけたため、バジルとは険悪な関係になったりもします。
やんちゃな小学生マコトの母親。
夜の商売をするシングルマザーで、とてもできた母親とはいえないが、そのコンプレックスのためなのか、マコトにご飯を食べさせたり世話を焼くことに嫌悪感をあらわにします。
漫画が原作らしいのですが、全く知りませんでした。
有村架純さんが元風俗の役柄というだけで興味を惹かれてみたのです。
なんてことのないシーンの連続なのですが、このどこにでもありそうな雰囲気がいい感じなんですね。
ちなみに風俗嬢ということで結構色っぽいシーンとかを期待した人はちょっと残念でしょう。
有村架純さんが脱いだりすることはもちろんないのですが、風俗嬢出会ったシーンなんかもありません。
ただ、行きずりで「行為」をしてしまうという展開もあったりします。
ちひろさんは、元風俗嬢であることを隠そうともしません。
そしてそういう人生を否定したりもしませんし、誰に対しても等しくある人です。
いろいろな人、年齢も立場も生活環境も違う人達が登場します。
それぞれに悩みやもやもやを抱えていますが、みんなちひろさんに救われているんですね。
特に誰かに肩入れすることもなく、同情もしないという姿勢が良いのでしょうか。
多分普通に生活している普通の人間には見えなかった世の中の色んな人の立場や思いをちひろさんの目や言葉を通して、描きたかったのかな?という気がします。
「おなかのへるうた」をよく口ずさんでいて、この映画のテーマ曲のような気もします。
死体を埋めて、どろんこになった後、シャワーをあびるちひろさん。
そんなシーンもあったりしますが、
決して殺人鬼というわけではありません。
まあ、ほのぼのとした映画ですね。