悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ブレット・トレイン 伊坂幸太郎さん「マリアビートル」原作、ブラピ主演の映画

「マリアビートル」は読みました。
なかなか楽しい作品で、これが映画に成るとどうなるんだ?しかも邦画ではなくハリウッドが作った?
ということで興味が尽きない映画でした。
とは言え、劇場にまで足を運ぶことはなく、Amazon Primeで公開されたので見てみたのですね。

画像はソニー・ピクチャーズより

この映画の概要

監督:デヴィッド・リーチ

脚本:ザック・オルケウィッツ

原作:伊坂幸太郎「マリアビートル」

公開:2022年8月(アメリカ)、9月(日本)

上映時間:126分

製作費:90,000,000ドル

興行収入:239,000,000ドル

 

キャスト

レディバグ:ブラット・ピット
腕は確かなのだが、世界一ついていない殺し屋。
「簡単な」仕事がいつも大事になります。

 

プリンス:ジョーイ・キング
木村の幼い息子を誘い出し、ビルの屋上から突き落としました。
それを木村に告げて、彼を誘い出します。

 

木村雄一:アンドリュー・小路
殺し屋です。
最愛の息子を殺されかけ、その復習のために新幹線に乗り込みます。

 

タンジェリン(ミカン):アーロン・テイラー・ジョンソン
レモンとコンビを組む殺し屋で業界内では凄腕のコンビとして有名です。
今回は、日本を牛耳るホワイト・デスの息子の救出とその身代金の奪還

 

レモン:ブライアン・タイリー・ヘンリー
ミカンとコンビを組む凄腕殺し屋。
几帳面なミカンと違い、割と大雑把な性格です。
きかんしゃトーマスから人生哲学を学んでいます。

 

ホワイト・デス:マイケル・シャノン
日本のヤクザを束ねるボス。

 

エルダー:真田広之
木村雄一の父親で、ホワイト・デスとは一方ならぬ関係がありそうです。

 

ウルフ:ベニート・A・マルティネス・オカシオ
レディ・バグに恨みを持つ殺し屋。

 

マリア:サンドラ・ブロック
レディ・バグに仕事を手配するバディです。
簡単な仕事を彼に持ってくるのですが、今回も大変な騒動になります。

あらすじ

世界一運の悪い殺し屋のレディバグはビジネスパートナーであるマリアから簡単な仕事ということで東京から大阪行の超特急「ゆかり号」に乗り込みます。
銀のアタッシュケースを見つけて、それを奪い、次の駅で降りるだけのシンプルな仕事のはずでした。
しかし、次の駅で降りようとしたところ、殺し屋のウルフが乗り込んできていきなり襲いかかってきます。
ウルフは一方的にレディバグへの恨みを持っているのでした。
ウルフはレディバグにナイフを投げつけますが、レディバグは、それをアタッシュケースで弾き飛ばします。
跳ね返ったナイフは、ウルフの胸に命中し、絶命します。

木村雄一は冴えない殺し屋でした。
ただ一人の大事な息子を殺そうとした人物におびき出されるように超特急ゆかり号に乗り込み、復讐を果たそうと考えています。
息子を殺そうとしたのは、プリンスというまだあどけない少女でした。
あまりのギャップに油断したわけではないですが、プリンスにスキはなく、気づいたときにはプリンスの言いなりにならざるをえない状況に陥ります。

殺し屋の世界では腕利きとして名を馳せているミカンとレモンのコンビもこの「ゆかり号」に乗車しています。
彼らは誘拐された人物を救出し、身代金を取り戻すことでした。
誘拐された人物とは、闇社会を牛耳るホワイト・デスの息子です。
有能な二人は息子の奪還に成功し、後は無事にホワイト・デスに仕事の報告をするだけでした。

しかし、問題の銀色のアタッシュケースが何者かによって奪われてしまいました。
更には、保護したはずのホワイト・デスの息子が何者かによって殺されています。
二人はたちまちピンチになります。

銀のアタッシュケースを凄腕のミカンとレモンに見つからないように、レディバグは隠します。
しかし、プリンスにそれを見つけられてしまうのでした。

超特急「ゆかり号」内で、レディバグ、ミカンとレモン、プリンスと木村雄一、そして謎の殺し屋がそれぞれの思惑を持ってアタッシュケースを奪い合うことになります。

 

感想

原作は伊坂幸太郎さんの「マリアビートル」です。
あらすじもほとんど同じで登場人物も微妙に変わっているところはあるものの、ほとんど同じと考えていいです。

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大スターのブラピはもちろんですが、売れっ子のライアン・レイノルズチャニング・テイタムといった有名な俳優が友情出演しています。
ノンクレジットなのでのんの顔出し程度ですけどね。
タイトルは「ブレット・トレイン」ですが、原作は「マリアビートル」。
そのマリアビートルさんことサンドラ・ブロックは最後の方でほんのちょっとしか出てきません。
このあたりも原作通りですね。
なぜこんな日本の原作をハリウッドで制作したのだろうと思います。
しかも設定は日本。
新幹線という名前は使っていないものの、そういうものに違いはありません。
原作では東京発の盛岡行きだったと思いますが、映画では東京発大阪行。
結局大阪には到着できずに、京都駅で大事故を巻き起こしてエンディングとなります。
このあたりは原作とはずいぶんと違います。
更にはエルダーという名前で木村雄一の父親として登場するのが真田広之さん。
もちろん原作でも渋い役柄なんですが、この映画では足を悪くしているものの、凄腕の元殺し屋という役柄です。
ホワイト・デスとの因縁もあるという設定でこれも原作とは違いますよね。
ちなみに原作では、木村雄一の両親は健在で母も割と凄い殺し屋の役柄だったのですが、この映画には一切登場しませんし、存在自体が不明です。

小説は、伊坂幸太郎さんの原作だけあって、殺し屋シリーズでも血なまぐさい感じはありません。
そういう描写はあってもなんだか明るいんですね。
悲壮感がまったくないというか、「殺し」が軽いんですね。

一方、この映画は違う意味で軽いです。
映像はクエンティン・タランティーノそのものです。
キル・ビル」や「パルプ・フィクション」といった映画にかなり近い感じがします。
タランティーノ監督の作品は沢山の人が死にますし、血もたくさん出ます。
この映画でもそういう表現はあるのですが、残忍というよりもあっけなく死んでしまう。
一方死なない人は、こんな状況でも死なないんですね。

 

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後、映像を見て思ったのは、ブレードランナーっぽい。
ハリウッドが日本を表現するとこうなってしまうんでしょうかね。
私は違和感のバリバリある日本の映像は割とスキなんですけどね。


ものすごく原作をリスペクトして作られている映画だとは思うのですが、レモンが黒人の太った人物と言うのは驚きました。
原作ではレモンもミカンもスリムな長身のイケメンなんですね。
後、伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズに登場する、押し屋の「あさがお」や教師の「鈴木」は登場しません。
2時間ほどの映画で、小説の内容をすべて表すということ自体が無理なので、適当に端折っているのは仕方がないでしょう。
大筋とは関係がないですし。
評価は割れているようですが、面白かったですね。



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