悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

サヨナラ自転車 櫻川さなぎ

この作品は、ラノベなのでしょうか?
というかライトノベルラノベ)ってどういうジャンル、分類になるんだろう?ってふと思いました。

幼い頃から仲良し3人組。
スポーツの好きな二人の男の子とちょっとドジだけどかわいい女の子との3人組です。
男二人と女一人の物語。
一人の女の子を巡って、二人の男の子が意識するのは当然の成り行き。
話の展開的にも大変似ている、あだち充さんの「タッチ」と比べられることもあると思います。
帯にあるように電子書籍大賞2013エブリスタ特別章受賞作品とあります。
どういう賞なのか知りませんが、Kindle Unlimitedにありますので、読んでみました。

 

登場人物

成瀬亜優
吹奏楽部に所属する高校2年生。
この物語の主人公。
和久井俊輔、二ノ宮拓己の3人とは幼い頃からのなかよし3人組。


和久井俊輔
いつも笑いの絶えないナイスガイ。
サッカー部所属のFW。
幼い頃に母が離婚し、一旦母に引き取られるが、出戻った。
勉強は苦手だが、スポーツが大好き。
クラスのムードメーカー。


二ノ宮拓己
サッカー部所属のMF。
地元の自転車屋、ニノミヤサイクルの息子。
もともとは野球好きの父の影響で野球少年だったが、あることをきっかけにサッカーに鞍替え。
クールで冷たく見えるが、本当はとても優しい。


成瀬省吾
亜優の兄。
サッカー部ではDF。
子供の頃から俊輔や拓己の兄貴のような存在。
構内では先輩だが、普段は二人からは「章ちゃん」と呼ばれている。


寺田日向子
亜優が高校での初めての友人。
明るく活発な性格でどことなくおばちゃん気質がある。
親友。

井上芹香
サッカー部のマネージャー。
亜優も憧れるほど、とても可愛らしい女性で学校のアイドル的な存在。

宗方浩樹
サッカー部のキャプテンで、ポジションはFW。
後輩の和久井、二ノ宮にも慕われている。
また彼らの幼なじみである亜優にもとても優しい。
家族揃っての自転車一家。
母親はPTAの役員。

 

あらすじ

プロローグの時点で、ある程度描かれてしまっているので、察しのいい方は気づいてしまうのかもしれません。
プロローグの時点を遡るように、子供の頃からの3人の関係を中心に描かれていきます。
成瀬亜優には一つ歳上の兄がいて、その兄を慕う和久井俊輔、二ノ宮拓己が自然に仲良くなります。
小さな頃からなかよしの3人はいつも一緒。
活発でお調子者の俊輔とクールだけど優しい拓己とは等間隔のお付き合い。
ところがやはり思春期を迎えて、亜優と二人の男性は簿妙な三角関係に。

感想

あだち充さんの「タッチ」は大変有名で、アニメで見たひとも漫画を読んだひとも多いと思います。
なのでどうしても比べられてしまいますよね、この展開だと。
いきなりお調子者の和久井俊輔が事故で亡くなって、亜優のそばに現れます。
彼らの関係、子供時代から徐々に描かれていくのです。
サヨナラ自転車というタイトルがふさわしいのかどうかわかりませんが、この物語には自転車に乗る彼らのシーンはもちろんあります。
ただ、自転車の小説ではありません。
あくまでなかよし3人組の物語なのです。
しかし、その一人の二ノ宮拓己の家業は自転車屋さん。
最後にはこの自転車屋との関わりも出てきます。
大どんでん返しというほどではありませんが、なんとも言えない後味の物語。
途中、青春の淡い恋心などキュンキュンするシーンもあり、還暦前の爺でもそういう気持ちを思い起こさせるようでした。
でも爺が読むよりもやはり若い世代が読んで楽しむ本なのかな?
漫画にもなっているみたいですね。
大変読みやすいので、若い頃の淡い恋を思い出すにはちょうどよいかもしれません。
ただ、この物語に出てくるキャラクターと自分の若い頃を比べると、「リア充死ね」とか思ってしまうかもしれませんwww。
素敵な青春時代を描いています。

櫻川さなぎさんという作者のことは全然知りません。
はじめは「なぎさ」で女性だと勝手に思っていましたが、「さなぎ」だったんですね。
作者が男性か女性かもわからなかったのですが、YouTubeでインタビュー動画がありました。
ごく普通の女性でしたね。

 

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