昨年末から主に通勤時に読んでいました。
島田荘司さんの名前は知っていましたが、縁がないのか読んだことがなかったのです。
そして読もうと思ったきっかけは、ブログを読ませてもらっているムッくんさんの影響です。
あらすじなどはムッくんさんのブログを見ていただければ、よりわかりやすくなっていますので、省略いたします(笑)
というわけで読んだ後の感想です。
これがデビュー作?と思ってしまうほどの凝りに凝った内容で、そのストーリー、仕掛けの凄さに衝撃を感じましたね。
才能という言葉ですべて片付けたくはありませんが、こんな小説を書くということに「才能」というものを感じずにいられません。
あとがきにも記載がありましたが、島田荘司さんは子供時代から、色々な物語を書いていたようですね。
子供時代に彼の作品を直接読んだ人たちはなんて幸せなんでしょうね。
今となっては幻の作品というのもたくさんありそうです。
推理小説、中でも島田荘司さんが目指している本格推理小説というのは、殺人事件の解明そのものに重点を置いて、読者に謎掛けをしていきます。
この小説でも何度も読者に「挑戦状」を送りつけるような書き方をしています。
どの段階で気づくのか?
ついに私は種明かしをされるまでわかりませんでした。
そして種明かしをされると、「あ!」と声を出してしまうほどでしたね。
死体パズルという部分がものすごく印象にあったものですから、おぞましい小説?と勝手に脳内変換していました。
もちろんおぞましい事件には違いありませんが、この小説の目指しているところはそういった表現の部分ではありません。
そのトリックですね。
やられました。
まさに昭和を代表するトリック、本格推理小説の一つだと思いますね。
死体パズルと聞いて勝手に想像していたホラー映画「ブラッド・ピーセス」とは全然違います。
学生時代に友人がホラーファンで、一緒に見た映画なんですけどね。
作品自体は、途中からぐんぐん読めるのですが、冒頭の部分、梅沢平吉が書いたとされている手記を読むのですが、このあたりが緻密すぎてとても読みづらかったのですね。
この調子でこの分量の本を読めるんだろうか?と不安になりましたが、手記のところが特別で、そこから先、物語が始まるとスルスルと読めていきます。
時代も現代ではなく、当時から43年遡る時、二・二六事件の頃の話なのですね。
そんな迷宮入りした事件を、主人公御手洗潔がさばいていくのですね。
この事件を今更になって解き明かす必要が出たことの理由もしっかりと描かれていて、納得です。
こちらの映画はシンプルなスプラッターホラーです。
死体パズルで頭に浮かんだのがこちらの映画でしたね。