悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

地獄が呼んでいる イカゲームよりも面白かった

世界中で話題になった韓国ドラマである「イカゲーム」ですが、イカゲームは8話。
夢中になってみているとアッという間に終わってしまったと言う感じです。

その後、面白そうな韓国ドラマはないのか?と思って見始めたのがこちらの「地獄が呼んでいる」でした。

 

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結論から言うと、「イカゲーム」より面白かったのですね。

気に入らないところもあるのです。
あのゴリラのような「神」の使いとされる超常現象。

あれは人知を超えた存在で、どうしようもない、なすすべのない絶対的なこと!という説明です。

続編が出るらしいので、今後の説明にも期待したいところですが、制作陣が言うには、あの存在自体は人知を超えた存在で、このドラマのテーマにとっては、不可抗力で抗えない存在ということらしく、あの存在自体はどうでもいいみたいなのですね。

 

イカゲームも8話と短かったのですが、「地獄が呼んでいる」はたったの6話です。

次はどんな展開だと思っていたら、6話で終了。

早く次が見たいところですが、次が面白いとは限りません。

 

映像も、オープニングのシーンも変わっています。
このドラマでは冒頭にこの迫力のある「神」の使いであるゴリラのような3体が登場し、「予言」を受けた人間が圧倒的な力の前になすすべもなく殺されてしまうのです。
その殺され方も、ひどい暴行を受けた上で、手から光のようなものを発して跡形も残らないほどに高温で焼かれてしまうのです。


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地獄が呼んでいるの概要

監督 ヨン・サンホ

脚本 チェ・ギュソク

 

キャスト

ミン・ヘジン
過激集団「矢じり」との紛争を担当する弁護士。
その後は「新真理会」と戦うために尽力していく

チン・ギョンフン
妻を殺された刑事。
新真理会を強く疑いながらも、娘が新真理会とか変わっていることに危険を感じている。

チョン・ジンス議長
初代の新真理会の議長。
施設で育った彼は人生に絶望し、死ぬためにチベットに渡りますが、そこで超常現象である神の使いを発見します。

スカルマスク(YouTube配信の矢じりメンバー)
新真理会を信じ、その教えを過激な方向で進めていく過激派集団「矢じり」の幹部でYouTubeで配信しています。

チン・ヒジョン
チン・ギョンフン刑事の娘で、母が殺されたことに対して、犯人が許せません。
新真理会に傾倒し、行動に移してしまいます。

パク・ジョンジャ
母子家庭である彼女は予言を受けて死ぬことになります。
残された子供たちのために、自分が予言で死ぬことと引き換えにテレビ中継に協力します。

キム・ジョンチル
未来宗教というインチキ宗教の教祖。
しかし彼は初代議長のチョン・ジンスから議長の後継ぎとして指名され、新真理教のボスとなり、信者を増やし、揺るぎない権力を収めていきます。

ペ・ヨンジェ
テレビ局の社員で、新真理会に対してはあまり良い感情を持っていません。
妻との間に初めてのこともが誕生しますが、喜びは一転して深い悲しみに襲われます。

ソヒョン
生まれた我が子がいきなり予言を受けてしまうのです。
どうして良いのかわからず、うろたえる母となっています。

ユジ執事
新真理会の幹部です。
新真理会のためになることは手段を選ばずに行動をする人間です。

 

 

 

 

第1話

ソウルの中心街にあるカフェで一人の男が怯えています。
ある時刻になると、どこからともなく化け物が3体現れ、その男を追い詰めたてリンチを加えた後、手から発する光線のようなもので完全に焼き切ってしまうのでした。

警察はこの問題の捜査を始めます。
過去に妻を殺されたチン・ギョンフン刑事は新興宗教である新真理会を調べていきます。
新真理会はチョン・ジンス議長を中心に急速に信者を増やしています。
新真理会は実演(試演)と呼ばれる超常現象の動画をYouTubeで公開しており、信じない人もいましたが、話題になっている宗教団体です。

神の裁きによって、予言を受けた人は死ぬしかない。
神の裁きを無視することも阻止することもできないと告げます。
チョン・ジンス議長は人は正しい行いをしていないと、天使から「予言」を受け、神の試演によって地獄へ落ちると言います。
チン・ギョンフン刑事に対して、彼の妻を殺された事実を突きつけます。
彼の心の中を見透かすかのように、人間の裁きは万能ではなく、犯人であるキム・チャンシクは反省もせずに生きているというのです。
事実、キム・チャンシクは薬物による影響での殺人であったため、系が減免され6年という短い刑期の後に釈放されて生きています。
議長は、ギョンフン刑事に対して、それで良いのか?と逆に問いかけています。

新真理会には「矢じり」と呼ばれる過激集団がいます。
その中で代表格であるスカルマスクがは特殊なメイクをしながら、新真理会の活動についての動画をYouTubeで配信。
そして新真理会の活動や考え方に批判的な文化人に対して「実力」でもって鉄槌を下していき、それらの行為を動画で配信しています。
いわば公開リンチです。
「矢じり」のメンバーは若く尖った人間たちで、警察に捕まっても一向に悪びれず、傍若無人に振る舞います。

そんな中、パク・ジョンジャと言う女性が5日後に死ぬという「予言」を受けるのでした。
そのニュースを知ったチョン・ジンス議長は彼女に公開処刑である試演を生中継で実況させてくれたら30億ウォンの大金を支払うという提案をします。
幼い子供2人を抱えた母子家庭であるパク・ジョンジャは、その提案に対して、「矢じり」の被害者である文化人の弁護士として活動しているソド法律事務所のミン・ヘジンに相談するのでした。

 

第2話

チョン・ジンス議長は、パク・ジョンジャとの「取引」によって「試演」の中継の契約をします。

「矢じり」はYouTubeによって神の裁きの正当性を訴え、公開処刑となるパク・ジョンジャの罪の予想を行ったりします。
そして新真理会の行いに従わない人たちに制裁を加えるように告げます。

シン・ギョンフンの一人娘のヒジョンは母を殺した犯人を恨んでいます。
そのため、新真理会の考えに同調。
そして議長の手引のもと、母を殺した犯人であるキム・チャンスクを拉致して、殺害してしまいます。
そしてキム・チャンスクが神の裁きを受けて地獄へ行ったと公表します。

 

第3話

興味本位で群がるマスコミたち。
そして「試演」を目の前で見ようとする新真理会のスポンサーたち。
警察は威信を掛けて「試演」を止めるべく待機しますが、超常現象である神の使いの3体を止めることができず、パク・ジョンジャは惨殺されてしまいます。
テレビ中継でこのニュースは韓国全土に流れ、またたく間にトレンドになってしまいます。

警察の人間たち、マスコミの人間たちもあまりにも圧倒的な神の力の前にひれ伏します。
それにひれ伏さなかったチン・ギョンフン刑事や弁護士のミン・ヘジンは神をも恐れない不届き者として、「矢じり」「新真理会」の敵として認識されることになります。

 

ヘジンは母を連れて逃げ出そうとするのですが、「矢じり」のメンバーに襲われ、母は死んでしまいます。

チン・ギョンフンはチョン・ジンスに呼び出されます。
チョン・ジンスは20年前に「予言」を受けていることを告げます。
彼は罪を犯していませんが、「予言」を受けたことを告げ、何も罪を犯していなくてもこれらの超常現象が起きることを知っているのでした。
自分はまもなく「予言」のとおりに死ぬことを告げます。
そしてキム・チャンスクは神の裁きによって殺されたのではなく、殺害したことを伝えます。
ギョンフンの娘であるヒジョンが、キム・チャンスク殺した実行犯であることも告げるのでした。

チョン・ジンスはチン・ギョンフンに選択を求めます。
罪なき人間も「予言」を受けて誰もが死ぬことを公表するのか、それともひっそりとその事実を黙認するのかの選択をギョンフンに求めるのです。
また、ギョンフンの主張する法の裁きを受けさせるというのであれば、娘を実行犯として逮捕せよというのです。
チョン・ジンスの身にも超常現象が起きて亡くなってしまいます。
刑事チン・ジョンフンはこの事実を黙認し、娘とひっそりと生きていくことを選択します。

 

第4話

新真理会の初代議長のチョン・ジンスが亡くなって4年経過した2027年になっています。
パク・ジョンジャが予言によって亡くなったアパートは記念館として保存されていました。


新しい議長は元々インチキなカルト宗教の教祖である人物ですが、今や新真理会は国家、警察をも凌ぐほどの圧倒的な力のある集団へと変貌を遂げているのでした。

 

テレビ局に勤めるペ・ヨンジェは驚くほどの力を持つ新真理会のことを疎ましく思っているのですが、逆らえません。
私生活では、ペ・ヨンジェは彼の妻であるソヒョンとの間に待望の赤ちゃんが誕生しているのでした。

しかし生まれたばかりの赤ちゃんに天使による「予言」が現れたのです。
泣き叫び、呆然とするソヒョン。

ペ・ヨンジェはテレビ局の仲間のジュンウォンが「予言」によって追い詰められていることを知ります。
ジュンウォンは死ぬことそのものよりも自分が死んだ後「罪人」の家族となる残された家族の心配をしているのでした。
彼は「予言」で死んだのではなく、他の原因で死んだことにするサービスを利用し、その後の処理をしてもらうのでした。

 

ソド法律事務所の弁護士だったミン・ヘジンは殺されたと思われていたのですが、実は生きており、このサービスを展開することで新真理会との戦いを続けています。

彼女はペ・ヨンジェ夫妻の新生児に「予言」があったことから、これらの超常現象は新真理会の主張する罪とは関係なく起きることを世間に知らしめる良い機会であると考えます。

 

第5話

ソドのミン・ヘジンはコン教授とともに、ぺ・ヨンジェ夫妻の子供が「予言」を受けたことを知り、逆にそれを世間に知らしめることで新真理会の行っている布教がデタラメであることを証明しようとします。
しかし、コン教授は「矢じり」のメンバーによって囚われ、生きたまま焼かれてしまいます。
ミン・ヘジンも襲われますが、やっとのことで「矢じり」のメンバーから逃れペ・ヨンジェ夫妻と合流します。

 

第6話

ミン・ヘジンと合流したペ・ヨンジェと妻のソヒョンでですが、不安に苛まれるソヒョンは、自ら赤ちゃんを連れて新真理会の本部へ乗り込みます。
新真理会のメンバーは彼女の動画を見て、これが公開されてしまうと今まで新真理会が言っていたことがでたらめだったことになると危機意識を持ちます。
そんな中ミン・ヘジンんとペ・ヨンジェは新真理会と戦い、妻のソヒョンと赤ちゃんを取り返します。

危機感を持った新真理会の幹部たち。


ペ・ヨンジェを匿うところは「予言」を受けたメンバーです。
しかし彼はもともと「矢じり」のメンバーであり、しかも派手な化粧でYouTubeで動画配信していたイ・ドンウクだったのです。

ドンウクは、熱烈な新真理会の信者だったのですが、予言を受けたことにショックでした。
そして彼はミン・ヘジンを頼っていたのですが、この赤ちゃんの予言の時刻の直後に自分の予言があったことに運命を感じます。
新真理会の議長へ連絡をすると、議長は、「赤ちゃん予言は神の間違いであり、それを隠し通すことことができるドンウクこそが救世主である」とおだてるのでした。

ヨンジェの妻のソヒョンは、これから、我が子である赤ちゃんが予言によって試演を受けて死んでしまうことをこのアパートの住人に見てほしいと告げます。

予言通り、3体の怪物が現れます。
そしてペ・ヨンジェと妻のソヒョンは赤ちゃんを抱いていました。
3体の怪物は彼らを含めて怪光線を手から発して、焼き殺してしまいます。
しかし、赤ちゃんは彼ら夫婦の犠牲によって奇跡的に生きているのでした。

ドンウクは赤ちゃんを殺害しようと企みますが、ミン・ヘジンによって妨害されます。
そうしているうちに自分の予言の時間になり、彼は再び現れた怪物によって消滅します。
新真理会の幹部が到着し、その赤ちゃんをヘジンから奪おうとしますが、アパートの住人たちは新真理会がデタラメを言っていたと非難します。
新真理会の求心力は急速に失われていくのでした。

そのころ、記念館となっていたアパートでは亡骸からパク・ジョンジャが復活を果たしているのでした。

 

感想

つじつまや理由を考えだしたら、途方もなくなってしまうこのドラマですが、その展開の早さと強烈な映像、印象から、見入ってしまうのです。

イカゲーム」もかなり強引なストーリーでしたが、この「地獄が呼んでいる」は更に強引なストーリー展開です。

造り手側も人間の力ではどうすることもできない理不尽な力の前で、つまり極限に追い込まれた状態で人間はどのように考え、どのように行動するのかということを伝えたかったらしいのです。

作っているのが「新感染 ファイナル・エクスプレス」「新感染半島 ファイナル・ステージ」の監督のヨン・サンホさんですから、ストーリー云々ではなく、「見せる」ことで物語にグイグイ引き込んでいくタイプですね。



そういった映像の点で見応えがあります。
このドラマの主要人物が次々に死んでいくというとんでもないストーリー。

わずか6話ですが、3話目に新真理会の議長のチョン・ジンスがあっけなく死んだり、主人公だと思っていたチン・ギョンフンもあっけなく物語から消えてしまいます。

そして4話目以降に登場するテレビ局のペ・ヨンジェとその妻も物語を盛り上げるための駒なんですね。

言葉はわかりませんが、韓国語は日本語ととても文法が似ているらしいです。
日本語吹き替えも声優さんが良い仕事をしていますが、原語で字幕でみても演技は伝わってきます。

どの役者さんもすごいのですが、卓球の平野美宇に似た少女、刑事の娘役を演じたイ・レさんという子役は素晴らしい演技でしたね。
15歳ですが、微妙な表情を作っているのがすごすぎます。
あんな表情、表現ができる15歳って一体何者?と思ってしまいます。
「新感染半島ファイナル・ステージ」にも出ていました。
存在感のある子役ですね。

 

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チョンジンス議長を演じていたのがユ・アインさん。
どこかで見たことがあると思っていたのですが、まさかの「ベテラン」と言う映画の財閥のご子息役だったのですね。
役柄が全く違うので別人にしか見えないです。
「ベテラン」では特権階級で庶民を人間とすら思わないような人でなしを演じていたのですが、今回は議長と言っていますが、新興宗教のカリスマ教祖です。
新興宗教の教祖というのも極めつけに怪しいのですが、この教祖は非の打ち所がないほどの人物の役です。

 

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「ベテラン」と言う映画は韓国ではものすごくヒットした映画ですが、日本では知名度はいまいちかもしれません。
私は勢いのある香港映画のようでもあり、かつての香港映画よりもゴージャスに作られている気もします。

展開がスピーディでわかりやすい、見ていて飽きない映画です。
おすすめです。

 

 

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