悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

なまけもの時間術 西村博之(ひろゆき)

2ちゃんねるをつくった「ひろゆき」さんが書いた時間と自由についての本です。
みんながみんな西村博之さんのようになれるわけではないですが、彼の時間に対する考え方を知ることは、今までの時間の考え方を変えるきっかけになるかもしれません。
良い悪いは別として。

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この本の目次

はじめに なるべく頑張らずに、成果主義社会を生き延びる時間術

1章 時間と自由-優先順位のぶっちぎりトップは自分

1「じかんをやりくりする」という発想を疑ってみる

2「時間を守る」って、そんなにエラいわけ?

3 仕事に時間を使うか?遊びに時間を使うか?

4 遊んでいると、いつのまにかお金が儲かっている人

5 時間を「切り売り」するな

6「明日できることは、今日やるな」

2章 時間と仕事-もう、そんなに働くなくていいんじゃないか

7 仕事に使う時間は少なくていい

8 なるべく、頑張らない

9 真面目な日本の「窮屈」な働き方

10 好きを仕事にしない、と言う選択

11 自分がいなくても、世の中は回っている

12「堂々と休む勇気」を身につける

3章 時間と努力-一生、イージーモードで楽しみきる

14「遅刻」とのつき合い方

15「間違った努力」と言う時間のムダ

16 迷うのは「人生の岐路」だけでいい件

17 他人の心配より、自分の心配

18 とりあえず、やってみたもん勝ち

4章 時間と幸せ-時間を制した者が、幸せを制する

19 人間はヒマだと不幸になる

20 イヤなことに時間を使わない

21 人生で「お金」と「幸せ」は切り離して考える

22 後悔しない生き方のススメ

23 僕たちは、生きている限り「勝ち組」なんじゃないか

あとがき 人間っていつか死ぬんですよね。

 

内容と所感

最後に勝つのは、チーターよりも、なまけもの

 

時代の寵児でもある「ひろゆき」こと西村博之氏。
口喧嘩ではなかなか勝てない男として有名ですね。
論破王という異名もありますね。

屁理屈を言わせたら右に出る者がいないなど、マイナスイメージも多いのですが、若い世代を中心にひろゆき氏のファンも多いです。

さすがにひろゆき氏が書く本なので、当たり前すぎることを書いてもつまらない、というわけなのか、彼の論破する方法と同じく、逆張りが多いと感じます。

「時間をやりくり」するということに疑問を持ったところなどですね。
時間は有限じゃなくて、むしろ「余っている」と言う考えも「普通の人」の先を行っているような気にさせます。

「時間」にルーズというわけではないと思いたいですが、ひろゆき氏は遅刻の名人だそうです。
彼はそもそも「時間を守る」という事自体に重きをなしていないようです。
ただ、「遅刻」はいかんと思うのですけどね。
約束のために時間を合わせてくれているわけですから、それを反故にすることは、その人達の時間を奪っていると思うのです。
彼は逆転の発想で、最初から遅刻することを前提に約束していたら、それに備えて時間を無駄にせずに済むというのです。
待ち合わせを本屋にするとかにすればお互い無駄な時間がなくて良いと考えているらしいです。
そうなのかな?と思わせつつ、違うだろうとも思うのですね。
ビジネスにおいて時間を守るのは当然です。
そしてビジネス以外でも時間にルーズな人は信用されません。
彼は成功者で、自分の遅刻をとやかく言う人とは付き合わないというわけです。
まあ、彼のように成功した人間ならではのところもあると思うのです。
どこまでも「自分軸」で動く人なのでしょう。
これまでの常識の中で生きてきた私には今更ひろゆき氏のような行動はなかなか取れませんし、「時間を守る人」でありたいとは思いますね。
ひろゆき氏はそういう人を「人から使われることに優秀な人」とみなしており、「自分で物事を動かすことに優秀な人」にはなれないだろうと言います。
その言いようには少し腹も立ちますが、確かにそういうところはあると思いますね。

 

仕事に頭は使わない。
仕事は頭を使わなくてもできるものだし、頭を使ってするべきものでもない、といいます。
確かに日常の業務って、頭を絞って、アイデアを出すことばかりということはほぼありません。
一部のクリエイティブな仕事をこなしている人、デザイナーやプログラマーなんかもほとんどが覚えたテクニックの使い回しで、頭を使ってやっているわけではないようです。
仕事って、「体を動かす」ことがメインになる場合が多く、「頭を使う」ことはかなり少ないと言っています。

そこからひろゆき氏は、頭は使いすぎないほうが良いと言っています。
そして遊びに全部振り分けるくらいで、ちょうどよいのだと言います。

 

収入が高い人は、仕事が嫌いでやっている人はいなくて、好きでやっている人だらけ。
「仕事」が好きで、趣味の延長線みたいなもので、就業時間というものもない。
四六時中仕事をしていても、それが好きだから延々とできるといいます。

確かに成功者はこういうタイプが多いかもしれませんね。
ひろゆき氏も好きなことを延々とやっていて、それが価値となっているのでしょう。

 

自分しか知らない情報が世の中の役に立つときには、その人の価値は上がります。
みんなが見ているものを、みんなが見ているのと同じように見ていても、自分の価値は上がりません。
「視点」をずらしてみると、違った内容に見え、それが価値になります。
なるほど、と早合点しそうですが、その「視点」をずらすというのが結構難しいと思うのです。
「視点」をずらすのだけならまだしも、その「視点」から得られた情報をアウトプットする能力ってやっぱり必要ですよね。

 

時間の「切り売り」。
これもひろゆき氏だけでなく、他の方、特に成功した方たちは口を揃えていってますね。
例えばホリエモンこと堀江貴文さんとかも同じことをいいます。
ひろゆき氏は、人気のあったネット掲示板ではなく、自分が作ったものに時間を費やしたいということで手間ひまかけて作り上げたのが「2ちゃんねる」だったそうです。
人のものを売ったり、人の提供するサービスで楽しんだりするよりも、自分で商品を作って売ったり、サービスを提供したりするほうが良いということですね。

失敗に価値を見出すのもひろゆき氏のような人達はみんな言います。
それはわかります。
起業に失敗した人はそれだけで得難い経験をしているというのもわかります。
でも人間って、失敗をするためにやりたくないのです。
知らずしらずのうちに、手堅くなっていっているんですよね。
そして産みの苦しみよりも人から言われたことを、グチグチ言われながらもやっているとお金は確実に得られます。
自分で考えて、時間も労力も投入しても、それがお金になるという保証はありません。
人間はせっかちなのです。

土を耕し、種を植え、水をまき、成長を待つ。
実りの秋を辛抱強く待つということはわかっていてもなかなかできないのです。

時給、日給、週給、月給、年俸。
自分の労働力を売るにしても、現金化しやすいものほどリターンも低いということかもしれませんね。

 

時給で働く=コスパが悪い
これも確かです。
実感としてあります。
時給で働くと、質の高い仕事をすればするほど、人生のコスパは悪くなるというのです。
自分の時間を切り売りする仕事で、仕事の質をあげてももらえるお金が大きく変わるわけではありません。
「何もしないでいかに給料をもらうか」と言う発想で、あえて時給仕事を適当にこなすのがいいかもしれないといっています。
まあ極論ですが、これの究極の形が共産主義で働く人ということかもしれません。

 

 

こんなふうに、「ひろゆき」流の時間術や仕事に対する考え方は、大体が世間で言われている時間節約術の逆張りです。
リゲインのCMではないですが、「24時間働けますか」というのはナンセンスですね。
労働時間は短いほうがよいし、「あれもこれもやらなくちゃ」と作業、時間に追われることは良いことではない。
「うまくいくにはどうすればよいか」を考える方が価値があり、仕事は人に振る事によって勝手に回り始めるといいます。
やはりプレイヤーよりもマネージャーにならないことには、「なまけもの」として生きていくことはできないと思うのです。

ただし、マネージャーと言う人たちに「なまけもの」はほとんどいません。
言えるのは無駄な動きはしないような人が多いことですね。
効率的に動けるし、効率と言うことがよくわかっている人が多いですね。
24時間働ける「リゲイン」のような人は本来マネージャーではなく、プレイヤーでしょうね。



 

こちらの本もよく売れているみたいですね。

 

 

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