悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

逃げるな新人外科医 中山祐次郎 研修医シリーズ第2弾!

先日読んだ「泣くな研修医」が面白かったので、続編をすぐに読みました。

前作から主人公の雨野は研修医として2年経過したところからのお話です。

 

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この本の目次

プロローグ

Part1 お嬢様研修医

Part2 へそピ

Part3 CT室

Part4 大部屋の死

Part5 いい医者

Part6 鹿児島、9月

 

登場人物

雨野隆治
主人公。鹿児島出身の2年間の初期研修を終えた後期研修医。
医療への熱い思いを持つ真面目な青年医師

佐藤玲
雨野隆治の直属の先輩医師。
雨野が入ってきた時は後期研修医だったが今や若手の期待の外科医。
美人でクールな女性です。

岩井医師
指導医。佐藤や雨野を指導するベテラン外科医。
背が高く威圧感があります。

水辺一郎
雨野が担当するステージⅣの大腸がん患者です。

紫藤博
アメノが担当するステージⅡの大腸がん患者

吉川看護師
頼りない新人医師をサポートしてくれる人柄の良い看護師

佐久間看護師
年下医師を呼び捨てにする苦手な看護師。

矢島愛香
22歳の若い女性。
腹痛で救急外来に来た患者です。

西桜寺凛子
さいおうじりんこ、卒業したばかりの新人研修医。
父親が元世田谷区長というお嬢様で甘ったるい話し方をします。

 

 

 

内容

雨野隆治は研修医として東京都内の下町にある総合病院「牛之町病院」に勤務する後期研修医です。
国家試験に合格したあと、内科、外科などさまざまな部署での研修をする初期研修になりますが、雨野は外科医となることを選びました。

雨野隆治の実家は鹿児島の薩摩揚げの店を営業しています。
父の隊長が悪くなったと報告を受けるのですが、日々忙しくしている隆治は、実家へ戻らず、自分の仕事に力を入れているのでした。

 

4月からは新しい研修医が入ってきます。
新人歓迎会で目立っていた甘ったるい話し方のお嬢様、西桜寺凛子が新人として外科の隆治のもとに。
先輩研修医として先輩らしいところを見せたいのですが、凛子は非常に頭がよく、何をやらせてもそつなくこなします。

同時期に大腸がんの患者が二人入ってきて、雨野が担当医となります。
ステージⅡの紫藤は朗らかな人柄で、奥様も共にいつもニコニコしています。
ステージⅣの水辺は砕けた話し方をするちょっと強面の男性です。

紫藤を心配する家族、奥様と娘さん。
ステージⅡと言う油断からか、「大丈夫」と言いきってしまいます。

一方水辺に対してはミスもあったものの、しっかりとわびたことに対して水辺の信頼を得ます。
同時にかなり厳しい状況の水辺をなんとかしてあげたい気持ちでいっぱいになるのですが…。

 

鹿児島の母から、父の体調がさらに悪くなったと言う連絡がありました。
ついに隆治は先輩の佐藤に相談し、すぐに鹿児島へと戻ることになりました。

 

 

感想

タイトルの後の最初のページに「HYに」と書かれています。
気になって仕方がないのですが、どういう意味なのでしょうね。

雨野隆治が外科医として成長していく姿が描かれます。
前作の新人のときと違って、今度は新人の面倒をみる立場になります。
患者も担当することになり、そのうちの一人の水辺はステージⅣということもありましたが、亡くなってしまいます。

同じ大腸がんである紫藤のほうは安易に家族に大丈夫と言ってしまったことから、看護師である紫藤の娘に詰め寄られてしまうシーンもあります。

医師というのは、患者の命を預かると言う大変な仕事です。
そしてそれらに対して真摯に向き合えば向き合うほど、消耗していきます。
病院の中での新人医師の立場も様々です。
ベテラン看護師の中には、歳の若い、キャリアのない医師を軽んずる人もいるようです。(佐久間看護師)
いや、ベテランとかではなく、人間性ですかね。
温かい目で見守ってくれる天使のような人もいるんですね。(吉川看護師)
やはりそれらはどんな職場でもあるのでしょう。
なめた口を聞く看護師に対して、ビシッと睨みをきかせる佐藤医師がメチャクチャかっこよかったですね。

物語、小説の中のキャラクターと言ってしまえば、それまでなのですが、佐藤玲という医師は、優秀で美人。
主人公の雨野隆治も見とれてしまうほどですが、わずかなスキもない人物です。
でももし職場にいたら、ちょっと怖そうですよね。

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