悪魔の尻尾

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イカゲーム 話題のNetflixドラマを見た

Netflixで話題になっている「イカゲーム」を見ました。
数日前から、妻と時間を合わせて、全9話を見ました。


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カイジ」に似ているとか、「今際の国のアリス」に似ているとか言われていますが、世界的に大ヒットしたのは韓国作品でした。

今際のアリス、カイジと比べて

今際の国のアリス」は昨年、公開時に見て、テレビドラマとは違うクオリティに驚いたのものです。
このドラマも大胆な展開、映像でとてもドラマとは思えない品質だと思います。
題材的に地上波で放映するのは無理でしょうし、ストーリーも批判が殺到しそうな内容です。
殺し合いゲームみたいなものですからね。


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それはイカゲームも同様で、映像にも内容にも毛嫌いする人は多数いると思います。
所々にグロいシーンもありますし、何よりも人命がものすごく軽く扱われているかのごとく、簡単に殺されます。


見ていないのに批判もできませんので、「カイジ」も見たのですが、「イカゲーム」を見た後だと、なんだかちょっとガッカリな印象ですね。
主演の藤原竜也さんがどうこう言うレベルではありません。
役者さんは持てる力を出して、演技をしていると思うのです。
撮影、設定そのものがチープなのですね。

イカゲームとは

さて、「イカゲーム」ですが、話題に乗っかって見るというのが多くの人だと思うのです。
もちろん先述したように、このような作品が嫌いだという人には全くあわないと思いますが、そんなに毛嫌いしない人なら、だんだん慣れてくるから、人間って恐ろしいものだなとも感じます。

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金欠人間をスカウトします





第1話「だるまさんがころんだ」ではこの「イカゲーム」というものがどういうものかがわかるお話の展開です。
主人公のギフンはやることなすことさえない人物で、中年ですが、生活は老母の世話になっている始末。
妻とは離婚し、一人娘の親権も取られてしまっています。
借金まみれで、自らの命をかけて、一攫千金を狙うのです。
それは決して強制ではなく、「自由意思によって参加する」というゲームなのです。

徹底的な秘密主義で、場所も主催者も明かされず、参加者はほぼ拉致同然にこの会場に連れてこられるのでした。

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偉いもの順、□>△>◯

「だるまさんがころんだ」というのは、多くの人が遊んだ経験があるでしょう。
関西(大阪)では「坊さんが屁をこいた」という言い方のほうが、しっくり来るかもしれませんね。

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この俳優さんは「愛の不時着」にも出ていましたね。

第2話「地獄」
第1話の終わりに、このゲームを抜ける方法があり、「多数決」によってゲームが一旦中断することになり、ゲーム参加者は元の世界に戻されます。
しかし借金で首が回らない人たちばかりであり、結局は主催者の応募に自ら応じていくことになります。

第3話「傘をさした男」
2つ目のゲームが始まります。
ゲーム参加者たちがどういう人物なのかだんだんわかっていきます。
このゲームは体力ではありませんが、選択に失敗すると難易度が跳ね上がるゲーム。
運要素が強いとも言えますが…。
また、警察官のジュノがこのゲームが開催されている島に潜入します。

第4話「チーム分け」
ゲームではなく、無法地帯となるこの夜には、強いものが弱いものを狩ることになります。
必然的にグループが出来上がり、生きるための工夫を凝らします。
またゲーム参加者の中には内部とのつながりを持つものも登場します。
ゲームは体力勝負ですが、体力だけでは勝てないのです。

第5話「平等な世の中」
チーム分けして戦った第3ゲームで、勝者のチームのみが生き残ります。
次のゲームに進むことができる参加者は半分になりました。
現実の世の中では、どうしようもなくなっているゲーム参加者たちですが、このイカゲーム内では、平等に戦うことを徹底されるのです。
フロントマンと呼ばれる現場のボスは、不正者をあぶり出し、ゲームの運営者共々不正のメンバーを処分します。

第6話「カンブ」
カンブとは今回開催されるゲームでの信頼の置ける仲間のことを指します。
そして今回は二人で一組になるように指示されます。
人数が奇数でひとり余ってしまいます。
誰もが頼りになる人間をパートナーに選ぼうとしますが…

第7話「VIPたち」
ゲーム参加者や運営する人たちとは別に「VIP」と呼ばれる人がこの島にやってきます。
特別な人達で、西欧人の富豪たちのようです。
彼らも仮面をつけて素顔は見せません。
ゲームで誰が生き残るかを特等席で賭けをやっているのです。
警察官のジュノは真相を突き止めつつありますが、同時に身の危険も迫っているのでした。

第8話「フロントマン」
フロントマンは主催者側の人間で、現場ではトップの人間なのでしょう。
一人だけちょっと変わった仮面をかぶっています。
彼の素顔がこの第8話で明かされますが、なんと大物俳優です。

かなり話が見えてくるところで、456人いたゲーム参加者も僅かなメンバーしか残っていません。
この第8話はちょっと作りが変わっていて、通常1話は大体1時間前後なのですが、この回は32分しかありません。

 

第9話「運のいい日」
いよいよ最終回です。
最後のメンバーが死闘を繰り広げます。
勝者は、ドラマですからわかりきった展開なのですが、問題はそこではありません。
真実の黒幕、主催者がわかります。
後味すっきりではありませんが、とにかく終わったのです。

続編ができるのかどうかわかりませんが、どんなふうに描かれていても、第1話は見てみたいと思いますね。

 

イカゲームがヒットした理由はなんだろう?

どうしてこれほどヒットしたのかわかりませんが、中毒性はあります。

我が家も妻とドラマで話題を共有していました。
妻の職場でも話題になっていたとか。

 

私は鈍いのか、すぐに気が付かなかったのですが、妻は、怪しいと見ていました。
そういう指摘があると、確かに怪しいのです。
殺されたシーンがないですし、そもそも圧倒的に不利なはずの人間にも関わらず、良いところまで勝ちに抜いているんですね。

 

最終回で黒幕が言うのですが、「見ている側と参加する側なら、参加するほうが面白い」と。

そしてものすごくお金を持ちすぎた人間と、ものすごく借金まみれで動けなくなった人間には共通点があると。


それは人生がつまらないことだと。
いやあ、つまらなくなるほどお金を持ちすぎてみたいと庶民は思いますが、命を賭けてこんなゲームはやりたくないですね。

いつも満足できないながらも、ささやかな幸せを感じることができる平凡な人生が一番幸せだな、と思いますね。

それにしても、こういう作品がヒットした背景には韓国社会における貧富の差というのがすごいのでしょう。
対岸の火事ではなく、日本でも貧富の差は確実に広がっている気がします。

オスカーをとった「パラサイト 半地下の家族」も高台に住む金持ちと半地下に住む貧乏家庭との対比がえげつないほどのコントラストでした。

イカゲーム」ではもはや貧富の差なんてものではなく、富めるものにとっては虫けら同然で、楽しむためのゲームなのです。

 

映像や作りは見事でしたが、そういった点で「今際の国のアリス」にはメッセージ性が感じられなかったのだと思うのです。

 

 

日本のコンテンツビジネスにはもっと頑張って欲しいぞ!

ちょっと日本の映画界を含めて、コンテンツビジネスはかなり立ち遅れているような気がします。
中途半端に国内市場が大きいので、海外で売れなくても国内でそこそこ売れればいいのです。

手堅く、人気タレントを使って程々に売れれば良い。
予算はそんなにかけなくても、だいたいこの程度の収益があればよい、そんな計算があるのでしょうか。

使う俳優、タレントたちも実力でというよりも事務所の政治力で配役が決まってしまうとか。

このままだと世界中でどこにも相手されないようになるんじゃないかと危惧します。
日本のコンテンツ力はこんなものじゃないはずだと思うのです。

CGを使えば良いというものではありませんが、予算の都合なのか、日本の映画やドラマはCGなどにお金をかけなさすぎます。

俳優も演技経験もないような若いタレントばかりでは、まともな作品ができないでしょう。
どういう作品で、それにふさわしい人材というのがあるはずで、事務所の意向で、売出し中のタレントを使わざるを得ないなんていうのは、本末転倒でしょう。

 

 

 

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