悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

雨の日も、晴れ男 水野敬也

文化の日ということで世間は休日でしたが、私は勤務日でした。
ただ、最近は特に混み合っている通勤電車がガラガラだったのは少し嬉しいところです。

 

さて、通勤中に読んだ本が、今日紹介する本です。

 

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水野敬也さんの「雨の日も、晴れ男」というタイトル。

水野敬也さんの本はなんと言っても「夢をかなえるゾウ」が大変面白くてためになる本でしたね。

続編も読んでいますが、「運命の恋をかなえるスタンダール」というのも面白かったですよね。

だから、この本も読む前から期待値が高かったのです。

 

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この本の目次

プロローグ 二人の小さな神

AM9:00 目覚まし時計が止まる

AM10:00 上司にいじわるされる

AM11:00 仕事で大失敗する

AM12:00 円形脱毛症になる

PM1:00 会社をクビになる

PM2:00 見知らぬ男に殴られる

PM4:00 詐欺にあう

PM7:00 家が燃える

PM10:00 全てを失う

エピローグ

 

 

 

登場人物

シュナ 小さな見習いの神

ワンダー シュナと同じ見習いの神

アレックス いたずらの標的となった平凡なサラリーマン

キャサリン アレックスの妻

ジョージ アレックスの息子

ゼウス 全能の神

この本の内容

二人の小さな神の出来心から、一人の平凡なサラリーマンが大変な目に会います。
小さな神はシュナとワンダー。
やんちゃなシュナは「運命の手帳」という貴重な道具を無断で持ち出してきたのです。
以前から使ってみたいと言っていたワンダーでしたが、いざ目の前にあると、勝手に使うのはまずいと思っています。

シュナはこの手帳を使って誰かを不幸にしてやろうと言います。
ワンダーはあまり乗り気ではありませんでしたが、「弱虫ワンダー」と煽られて、そこに書き込むことにしました。

ターゲットになったのは、まさに平凡を絵に書いたようなアレックスという男性でした。
毎日決まった時間に出社し、週末は家で子供と遊ぶ、そういう人物です。

幼い二人が面白半分に書いたこのメモのせいで、アレックスは災難に遭うのです。

目覚ましが止まり、会社に遅刻したアレックスは、新任の上司にいびられます。

更に自分が最も大切にしている取引先との約束を違えてしまうことになるのです。

それでもアレックスはくじけず、明るく振る舞うのです。
ついには頭が円形脱毛症になるのですが、それすらも笑顔で乗り越えようとします。

二人の幼い神はアレックスを不幸にしてやろうとおもってやった悪戯なのですが、アレックスは災難には遭うのですが、楽しそうに生きているのです。

 

その後、見知らぬ若造に殴られ、大変な目に会いますが、警察がやってくると、その若造をかばうために一芝居討つのでした。
そんな善良なアレックスでしたが、詐欺にあい、1万ポンド物大金を失います。

クリスマスの日でしたが、七面鳥を焼いていた家で火事が発生。
息子の常時は焼けた家の中にいるのでアレックスは決死の覚悟で家に入り、息子を救い出すのです。
家が焼けたという悲惨な状況でも、息子のジョージとのクリスマスを楽しむアレックスでした。

しかし、家を失い、仕事も失ったアレックスに愛想を尽かした妻のキャサリンはジョージを連れて出ていくのでした。

 

ゼウスは幼い二人の神がやらかしたことを叱りつけます。
二人は自分たちのしでかしたことを反省するのです。

すべてを失ったアレックスは絶望して自殺するのではないかと、シュナとワンダーは気になって仕方がありません。
焦る二人はゼウスを振り切って地上階へ降り立ちます。

アレックスは自殺なんてする気はありませんでした。
しかし二人の幼い神がいたずらで書いた、「全てを失う」ということが現実になるのでした。
事故によって命を落としてしまうのです。

死ぬ間際までアレックスは人を喜ばせようとするのでした。

日付が変わり、アレックスは生き返りました。
二人の幼い神は「運命の手帳」にこれまでの反省の意味を込めて幸せになれるように書き込むのでした。

ゼウスがやってきて、彼らをまたしても叱りつけるのです。
そして書き込んだ内容を消していくのですが、彼らが書いた時間を過ぎた内容は現実となっていました。

ワンダーはアレックスを不幸にするために書いたにもかかわらず、彼が一向に不幸にならないことを不思議に思っていました。

ワンダーはアレックスの行動をメモしていました。

 

 

感想

神は、人を不幸にすることも、幸福にすることもできない。
ただ、出来事を起こすだけ。
最後の最後に出てきたシュナのメモがこの物語をすべて語り尽くしている気がします。

どんな不幸でも、明るく、常に人を楽しませることを考えていました。
そして人を楽しませることに、自分が楽しんでいるのです。
だからこそ、彼は不幸とは無縁の人生を送ることができたのです。

というメッセージが伝えたかったのだと思うのですが、この物語はちょっとふざけた部分が多すぎて、感動的な要素や、これは素晴らしいことだと思える部分が少なかったと思います。

期待値が高かったこともありますが、ふざけている度合いがきつすぎて、読者がちょっとついてこられない、お笑いで言うところの、「外している」感じがずっと続いているような内容でした。

「夢をかなえるゾウ」シリーズや「運命の恋をかなえるスタンダール」もかなりギャグ、お笑い要素に振った小説でしたが、笑いの中にも、グッと来るような味わいがあり、ネタもキレキレでしたね。
この物語は外しまくっているような気がします。
そして笑わせようとすればするほど、それはかえって面白くないという悪循環だったのかなと思いますね。

とても残念です。

なので、あまりお薦めはいたしません。

これを最初に読んでしまったら、水野敬也さんの面白さがわからないかもしれないdので、やはり「夢をかなえるゾウ」を読むのが良いでしょうね。

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