悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

日本人に知ってほしいイスラムのこと フィフィ

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日本に住んでいると宗教というものを生活に感じることはあまりありません。
それでいながら、初詣に行き、お盆には墓参りをして、坊さんのお経を聞いたりしながらも、クリスマスを盛大にやったりもします。

ところが、世界に目を向けると、宗教というものが生活に密接につながっているんですね。
この本を読んで、誤解の多いイスラムを少し身近に感じる事ができました。

この本の目次

まえがき
フィフィ版・そうだったのか!イスラム
第1章 ハラール問題のポイントはココ!
第2章 日本に生きて感じたこと
第3章 意外と近い、イスラムと日本
第4章 これだけは知ってほしいイスラム
第5章 ムスリムと付き合うために知ってほしいこと
あとがき

 

この本の内容

イスラム教は戒律が厳しく、危険な思想ではなく、人生のガイドブックなのです。
エジプト人である著者のフィフィはイスラム教徒であり、日本でタレント活動をしていますので、馴染みのないイスラム教を理解するための本となっています。

アッラーというのは人智を超えた存在であり、唯一神
つまり神そのものなのです。
なのでアッラーの神というのは間違っています。
キリスト教や仏教のように偶像崇拝もしません。
神(アッラー)の姿を想像するだけでも罪深いことなのだ僧です。
仏教では般若心経などがあり、キリスト教でも聖書があります。
イスラム教ではコーランがありますが、コーランは教祖やその弟子たちが書いたものではなく、預言者であるムハンマドマホメット)を通して語られたアッラー(神)の言葉なのです。
だから書き換えたりすることもなく、神そのものの言葉なので絶対なのですね。
とはいえ、コーランイスラム教がとてつもなく厳しいのかというとそうではなく、コーランも実にざっくりとした内容で、その解釈に関しても生活に十分配慮したものとなっているようです。

イスラムというとスンニ派シーア派といった派閥が絶えず争っているみたいに見えますが、全てがISIL(イスラム国)のような過激な思想を持った人たちばかりではありません。
どうしてもアルカイダやISILのイメージが強いために、イスラムは怖い、恐ろしいと感じているのです。

ハラームとは
ハラールとは「イスラム法でゆるされた」という意味のアラビア語でハーレムの語源です。
食べ物でイスラム教では禁じられているものの代表が豚です。
だから豚肉が入っていなければハラーム・フードというわけではないようです。
肉の処理などにもルールがあり、それに従った調理法でないとハラールとはならないのですね。
ただ、ハラールそのものの解釈も個人に委ねられているので、厳格な人もいれば、そうでもない人もいるようです。
ちなみにアルコール、飲酒もイスラムではハラームになるそうです。
ただ、イスラム教は個人と神とが直接契約しているという考えなので、他人のハラールに関してあれこれ言うことはないのだそうです。

ちなみにイスラム教徒という言い方も、イスラムの世界では男性をムスリム、女性をムスリマと呼ぶそうです。

女性の服装で体を隠したり、顔を隠したりする衣装がイスラム独特。
ヒジャブと呼ばれるスカーフみたいなものですね。
ヒジャブを付ける理由は女性を男性から守るためです。
不思議に思うかもしれませんが、多くの宗教では女性の髪の毛はセックスシンボルであり、キリスト教のシスターもスカーフで頭髪を隠しますし、仏教でも尼さんは剃髪します。
イスラム法が国家の法律となっていない国では、ヒジャブの着用は個人の自由になっているため、イスラムの世界でも国によって様々です。

イスラムは女性に頬かむりをさせて、自由を奪っている、女性を虐げていると頑なに思っている人たちがいますが、イスラム圏で住む人達すべてがそういうわけではないのです。


結婚に関しても、かなり合理的で厳しいのがイスラムの世界です。
籍を入れたら結婚というものではなく、お互いの義務と権利を確認し、結婚前から離婚後までどちらにも不利にならないように、かつ子供がオヤの犠牲にならないように細かな規定を設けているそうです。
具体的には、財産の分配を取り決め、離婚した場合の慰謝料の金額も予め決めておくのです。
結婚のときに離婚したときの取り決めを交わすというのは驚きですが、まさに契約で細かい点まできちんと取り決めをするんですね。

イスラム世界では一夫多妻という制度が認められているのですが、勝手に憧れているのは何も知らない人です。
まずは経済的に裕福であることが絶対条件になります。
一夫多妻はすべての妻に物質的にも精神的にも平等に分け与えることを条件にしています。
4人まで妻を持つことができるそうですが、例えば、若くてかわいい第4夫人にプレゼントをする場合、第1夫人から第3夫人まで平等にプレゼントを渡す必要があるのです。
第4夫人のところにばかり入り浸っていてもいけません。
ちゃんとその他の夫人のところにも平等に行って過ごさないといけないのです。
それらを守れない夫は妻から訴えられるのです。

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感想

細かい歴史的な背景などは抜きにして、今あるイスラム世界の本当のことが書かれているように感じます。
本当に知らないことだらけでした。
そもそも宗教というものについて考えたりすることもなく、一神教多神教といった違いや元を正せば、キリスト教ユダヤ教ですし、イスラム教もそれらの宗教の影響を受けてできた後発の宗教です。
イスラム教はイスラム法によって、生活にも密接に関わりますが、かなり個人の自由、最良に委ねられているということもわかります。
だからこそ、キリスト教についで2番目に多い信者を抱えていますし、今も信者は増え続けている宗教です。
みんなが不幸になるような宗教なら、こんなに布教が進むはずもありません。

他の宗教に対しても寛容です。
イスラム教徒に対してはそのルールを守らせますが、非イスラムの人に対してはとやかく言わないのです。
まあ、本来宗教とはそういうものだと思いますけどね。
神の偶像を作って販売したりもしません。
神はその人の心の中に存在し、その姿を想像してもいけないと言いますから、本来はそういうものなのだろうと思うのです。
ただ、偶像礼賛を禁止しているからと行って、歴史的に価値ある遺跡を破壊したりするタリバンとかはやっぱりおかしいと思うのですけどね。
タリバンアルカイダ、ISILのせいでイスラム教のイメージが悪くなったのは間違いないことでしょう。
そしてジハードという言葉も聖戦と訳されていることで、怖いイメージがついてしまっています。
まあ、アルカイダやISILなどが、それを勝手に曲解して、若者をテロリストに仕上げているということもありますが、本来ジハードとは努力という意味です。
決して聖戦などという重い意味ではなかったのですよね。

何から何まで旧時代の戒律に縛られて、不自由なイスラム世界と考えていますが、そこで暮らす人はムスリムムスリマを問わず、幸せに生きているなら、それで良いのではないかと思いますね。

 

 

 

 

 

 

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