日本映画で最も興行収入があった映画、それが「鬼滅の刃 無限列車編」です。
昨日、テレビ放映されるということで、多くの方が目にしたのだろうと思います。
このテレビにとっては一大イベントとも言える状況で、鬼滅の刃が毎日放映されていました。
私も動画サブスクなどで鬼滅の刃シリーズの映画は見たのですが、この新しい「無限列車」は話題になっていたものの、見ていませんでした。
さて、これだけ話題になって、社会現象にまでなった映画作品ですから、期待値は上がっていきます。
で、昨日は仕事を早めに終えて、帰宅し、スタンバイして映画を見たわけです。
原作漫画は読んでいませんが、Amazonプライムなどで大体の世界観はしているので、全くついていけないということはありません。
全く馴染みのない物語でもないのですが、なにか違う。
その理由は明らかに過大な期待値です。
普通の映画としてみれば、全然悪くないアニメ作品です。
でも、日本中が沸きに沸いた映画、これまでの興行収入を塗り替える大ヒットなのです。
なぜにココまで熱狂的に売れたのかがわからない映画です。
鬼滅の刃のファンなら楽しめると思うのですが、事前に鬼滅の刃を見ていない人で、話題につられて見に来た人は全く話についていけないと思います。
アニメの映像はそれなりにきれいですが、唸らせるほど素晴らしいものでもありません。
この映画が圧倒的な興行成績で日本の映画の歴史を作ったということ自体、なんだか寂しい気がしました。
この映画がココまで売れた理由は何でしょうか。
マーケティングの勝利?
原作コミックス、アニメ化、劇場映画化、などの発表と公開がそれぞれの相乗効果を生んだとも言えます。
そしてそれらの出るタイミングが絶妙だったのでしょう。
コロナウイルスによって、自宅で動画を見る時間が増えたことも大きな影響。
劇場公開のタイミングも、映画館が低迷していたのが息を吹き返したかのように、連日「鬼滅の刃 無限列車編」は賑わっていました。
ブーム、社会現象、群集心理?
日本人は同調圧力に弱いというか、横並び意識が強いのでしょうか、マーケティングで言うところのバンドワゴン効果で、ますます評価が高まったのでしょう。
今年に入り、ブームはかなり納まったものの、TVで、この大ヒット映画の初公開とあって、多くの人が注目したと思います。
そして多くの人が私と同じような感想を持ったのかな?という気もします。
「なんで、この映画がこんなに売れたのだろう?」
普通のアニメ作品としか感じなかったのです。
特に訴えかけるようなところもなかったですし、最初の作品のほうが良かったかな?という気もします。
日本映画界において、アニメというのはすごいものです。
1 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 403.2億円 2020年
2 千と千尋の神隠し 316.8億円 2001年
3 君の名は。 250.3億円 2016年
4 もののけ姫 201.8億円 1997年 配給収入は117.6億円
5 ハウルの動く城 196.0億円 2004年
6 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 173.5億円 2003年
7 崖の上のポニョ 155.0億円 2008年
8 天気の子 141.9億円 2019年
9 風立ちぬ 120.2億円 2013年
10 南極物語 110.0億円 1983年
なんとトップ10のうち、アニメ作品が8作品。
実写映画はわずかに2作品なのです。
アニメが悪いとは言いません。
嫌いではないですし、ジブリの作品なんかもやっぱり、いつ見ても良くできた作品だと思うのです。
ブームとなった「君の名は。」とかも劇場には行かなかったですが、レンタルで借りてきて見ても、とても良かったという印象がありました。
「これは売れるわ~」
と思ったものです。
そしてジブリ、宮崎駿さんの作品の数々。
「カリオストロの城」や「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」なんて何度見たのかわかりません。
「魔女の宅急便」や「耳をすませば」なんて作品も、子供と一緒に何度も見たりして、子供もセリフを丸暗記していたり。
そういう感動はあまりなかったですね。
ジブリ作品のように、あとからじわじわ来るような映画でもなさそうに思うのです。
アニメファン、アニメ映画が元気なのは良いとしても、映画ファンとして、実写映画に元気がないのが情けなさ過ぎます。
お金をつぎ込んで派手な絵作りをするハリウッド作品が絶対に素晴らしいとは言い切りませんが、もう少し頑張ってほしいですね。
鬼滅の刃の記録もまたいずれは抜かれるのでしょう。
それもきっと実写ではなく、アニメなんだろうと思います。