夢探偵フロイト・シリーズの第2弾です。
前回に引き続き読み終えました。
主人公の風路亥斗（フロイト）、映像クリエイターの森本太志（ヲタ森）、新人助手の城崎あかね（ペコ）のレギュラー3人は変わらず、彼らの掛け合いが軽妙で読みやすいです。
今回の作品は夢科学研究所のスポンサーとなっている枕会社とのタイアップでの実験から、殺人事件が解明します。
とても有能な人たちですね。
この本の構成
プロローグ
1.ロリィタ服でティッシュを配る
2.夢科学研究所にスポンサーがつく
3.睡眠実験で起きた奇妙なこと
4.てるてる坊主殺人事件
5.あかね悪夢に感染する
6.悪夢の正体
7.フィールドワーク
8.殺人鬼・髪切り魔
9.15年前に起きたこと
10.ロリィタの夕べ
エピローグ
あらすじ
ロリィタファッションにも少し興味があったといえ、友人のカスミに急に誘われて、ロリィタパブのティッシュ配りのアルバイトすることになった城崎あかね。
実は一緒にティッシュ配りのアルバイトをしているカスミの友人がドタキャンとなって駆り出されたのです。
相変わらず、ドジでのろまなところはあるものの、バイトは終了。
そのときに投げ込まれた謎のチケット。
アートドール展のチケットで、アルバイト先からは近いところでした。
興味はありませんでしたが、行ってみると、その美しさに魅了されるとともに、気味悪さも感じています。
そこで可愛らしい人形と出会います。
大学で存在している事自体知られていない弱小研究所である夢科学研究所。
予算がつかず、存続も危ういところ、スポンサー付きの実験の依頼が来たのです。
それは「吉夢を見られる枕」のデータを取ることででした。
そんな中、ティッシュ配りのアルバイトを一緒にやった友人カスミから連絡が入ります。
ドタキャンしたカスミの友人が何者かによって殺されたというのです。
そして彼女の頭の一部から髪の毛が切り取られているのでした。
睡眠実験の被験者のアルバイトにやってきた人たちの中に、塚田翠（ミドリ）という女性がいました。
彼女は美人なのですが、何かことあるごとに、あかねに強く当たります。
実は彼女は今回のスポンサーである塚田善左衛門商店のお嬢様なのでした。
翠は実は悪夢のために安眠ができないという悩みを抱えており、父親にも心配されているのです。
そして今回のこの実験にはそういった点での協力も暗に求められているのでした。
おばちゃん食堂で、１５年前に起きた未解決の「てるてる坊主殺人事件」の話題。
それは殺された女性の髪の毛を刈り取り、てるてる坊主に貼り付けてあったという事件。
ちょうど、カスミのバイトの友人が殺された事件と関連がありそうだった。
あかねはパソコンで「てるてる坊主殺人事件」について調べると、神社で殺された６歳の少女で神の一部が刈り取られ、その髪の毛がてるてる坊主のような人形に貼り付けてあった事件ということを知ります。
睡眠実験では多くの人が枕で安眠できるのですが、塚田翠は眠れないのです。
そして彼女はついに奇怪な状況に陥ります。
あまりの睡眠不足により脳が一時的に完全停止してしまうような状況でした。
フロイトは危険な状況と判断し、彼女の夢の解析を急ぎます。
しかし、そんな中、翠はこの実験、アルバイトから降りてしまいます。
さてこの後、物語はバイト先の殺された女性、そして翠の夢から解析した幼い頃の記憶からフロイトたちは犯人像を割り出していきます。
ヒロイン？的な立ち位置ではないですが、あかね（ペコ）も絡んできます。
感想
夢探偵フロイトシリーズですが、前回読んだ「夢探偵 マッド・モラン連続死事件」よりも面白かったですね。
なんと言っても殺人事件で、実際に殺人する人間が登場してきますから。
そしてこの作品では、メンバーとの人間関係もわかっているので、余計に読みやすくて、スルスルと読めるのですね。
ヲタ森がちょっとウザかった前の作品と比べて、ずっと良さも出ていた気がします。
ペコとのからみが楽しいですね。
今回はヲタ森よりもキーマンの一人である塚田翠嬢が遥かにウザいキャラクターなので、ヲタ森が可愛く見えてしまうのかもしれません。
優等生のフロイトは相変わらず、私には刺さってこないキャラクターなんですが、今後はシリーズでどんな活躍を見せてくれるのか期待値が上がります。
というわけで、今は、内藤了さんの代表作である、「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」を読んでいます。
こちらはホラーというよりも猟奇的殺人事件なので、グロ描写ですかね。
