悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

大谷翔平選手がすごすぎる

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規格外という言葉がスケールを超えたという褒め言葉で使われる場合、エンゼルス大谷翔平選手がとてもふさわしいと感じています。
メジャー挑戦を当初から表明して、指名拒否していたのを、日本ハムがドラフトで強行に指名したのが2012年の事。
甲子園で出場はしていたものの、甲子園のヒーローではありませんでしたが、その潜在能力の高さから注目の素材でした。
鳴り物入りでプロ入りしたものの、鳴かず飛ばずで終わる人も多数いる厳しい世界です。
そんな中、投手も打者もどちらも~いわゆる「二刀流」に関しては、多くの野球関係者から非難の的にもなっていました。
投手のほうが貴重だから、さっさと打者なんかやめて投手に専念しろ!という声が多かったのも事実ですが、「二刀流」に面白い!と言っていたのが落合博満氏でした。
やはり3度の三冠王、両リーグ通じての三冠王になった偉大なプロ野球人で、独特の視点があったのでしょう。
一方当時はまだ現役選手で活躍していたイチロー選手は、絶対に「打者でやってもらいたい」という意見で、これまた少数派でした。
イチロー選手もアマチュア時代は鈴木投手。
四番打者でエースという高校野球では優れた選手の場合の定位置でした。
弱小チームではエースで四番打者というのは当たり前ですが、イチロー選手も大谷選手も野球の強豪高校です。
それでも抜きん出た実力があるため、早い時期から「定位置」となっていました。
イチロー選手の場合、プロに入ってすぐに投手ではなく、打者としてスタートしました。
私の記憶になりますが、当時の彼のコメントでは投手としてはゴロゴロいるけれど、打者としては素晴らしい素材だという論調でした。
これまた慧眼と言わざるを得ません。

規格外というのがどういうものなのか全く縁のない自分には、そういうものが全くわかりませんので、プロで何も実績を残していない若者に大きな期待を寄せすぎることに懐疑的でした。
ところがそういう「外野」の意見を黙らせてしまったのもやはり規格外の彼の実力でした。
メジャーに行く前の日本のプロ野球では、圧倒的な注目を集めるほどで、スポーツニュースでも毎日取り上げられるほどになっていました。
プロ野球で四番打者でエースとか、もう漫画の世界をそのままプロ野球に持ち込んだようなのです。
ゲームで言うならチートキャラのようなパラメーター異常ですね。
懐疑的な意見は、ほとんど聞かれなくなり、「二刀流」という言葉が飛び交うようになっていました。
日本でも打者としても活躍していましたが、やはり投手としての価値の上にあるように思えました。
日本では5年の活躍でFAではなくポスティングシステムを利用してメジャーへ行きます。
やはり強行に指名して契約交渉したときに何らかの条件が大谷選手側からあったのでしょうね。
巨人などのチームならメジャー挑戦なんてFA取得してからでないと無理だったと思います。
ともあれ、日本の5年間の成績は印象的には投手がやや上回っている感じがします。
日本のプロ野球でのタイトルがすべて投手だったことからも、投手での起用が中心だったということですね。
543イニング、42勝 15敗、防御率2.52
この数字も高卒ルーキー5年であれば素晴らしい数字です。
そして打者としては、
296安打 .286 48本塁打 という数字を残しています。
これも立派な数字ですが、いまいち物足りなく感じるのは打者としての試合数が少ないところでしょうね。
投手として出場すつために、調整が必要で、「二刀流」の弊害でしょう。
タイトルとは無縁なのも仕方がないところです。

しかし今年の大谷選手の打撃を見ていると、凄まじいですね。
本日も2本ホームランを打ち、現在メジャー両リーグを通じて単独トップに立ったと言います。
日本人選手がシーズン途中とはいえ、もはやシーズン半ばで本塁打王のトップに立つなんてことは誰が想像したでしょうか。

まさにこれまでの名選手や評論家たちの「規格」を超えてしまっているのでしょう。
レベルの高いメジャーリーグであっても、敵も味方も関係なく、今や彼の打席、投球が野球ファンに注目されています。

 

数字の上ではまだまだ物足りないところもあるでしょう。
それはやはり「二刀流」の弊害とする声もあります。
どちらかに絞れば、超一流として大成する可能性は高まるというのも理屈ではわかります。
でも彼ほど投手、打者としての才能が抜きん出ていれば、どちらかを諦めるというのはもったいなさすぎます。
あれだけ速い球を投げられる日本人選手は長いプロ野球の歴史でも非常に少ない貴重な選手です。
そしてあれだけの飛距離を出せる長距離バッターというのも異質な存在です。
何よりも「二刀流」には数字以上に価値があります。
ファンに対しても「」も「ロマン」もあります。
それは記録としての価値以上のものがあると思いますね。
いずれどちらかに絞るタイミングがあるのかもしれませんが、大谷選手なら投手と打者のダブルタイトルという「二刀流」の金字塔を打ち立ててくれるかもしれません。

王貞治さんが、日本のプロ野球名球会の条件である、「200勝、2000本安打のどちらも達成したらいい」という発言がありました。
日本のプロ野球という尺度では収まらない選手です。
そしてそのどちらも達成する可能性はまだまだ残されています。

エンゼルスのファンでもありませんし、日本ハムのファンでもありませんが、大谷翔平選手は野球ファンなら、大好きな選手であると思いますね。
これからも大活躍してくれることを願っています。

 

 

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