悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

タイタニック TV放映(後編)

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先週放映していた映画の後編です。
前編の運命的な出会いと素敵な豪華客船でのひととき。
そこから一転して、事故が発生します。

 

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ジャックとローズのロマンスは燃え上がります。
そんなときに、氷山を発見した船員でしたが、全速前進をしており、舵を切るものの巨大な船体は旋回しません。
なんとかギリギリ避けたものの、船腹を削られてしまいました。
被害状況はどうなったのか。
当時としてはとてもハイテクなシステムで、浸水状況がすぐに把握されるようになっています。
船体にはいくつかのブロックに分け、それに浸水をしても他のブロックが問題なければ沈まない設計です。
設計した人物は4つまでなら耐えられると言いましたが、すでに5つのブロックに浸水していることがわかりました。
彼は船長以下主要な乗組員に伝えます。
「この船は沈む」と。
直ちに乗客の避難させるように支持を出します。
同時にこれらを口外しないことも伝えるのです。
沈む事がわかるとパニック状態になるからです。
富裕層ばかりの一等船客を優先します。
そして女性と子供が優先です。
沈むまでのタイムリミットは1時間と予想され、それまでにすみやかに避難させなければなりません。
しかし、上流階級の女性たちは素直に動いてくれません。
ローズの母親はこの期に及んで「このボートは一等船客のボートなの?」とのたまっています。
そして詰め込むのは嫌だとか、わがまま放題なのです。
後のシーンでもありましたが、ボートの定員は65名なのに、たったの12名しか載せていないボートもあったとか。


そういうやり取りも序盤のみで、船が傾き始めると、これは拙いということに気づき始めます。
可愛そうなのは、パニックを起こさないようにと鍵をかけられて、下層の船室から出られないようにされた三等船客たちです。
まるで生きる権利を奪われているようなものです。

甲板で音楽を奏でる音楽隊の人たち。
彼らは運命を感じ取っているのでしょう。
逃げることもしません。
そして逃げ惑い始める乗客を見ながらも演奏を続けます。
いよいよ、傾きがひどくなり、リーダーがこれで解散しようと伝え、楽団員は離れていきます。
しかしリーダーが一人で演奏を始めると、やはりそこに加わってきました。
演奏を終えて、ここまでということで彼らはお互いに称え合います。
どんな苦境にあっても、できることを最大限に行うのみ。
最後までプロとして仕事をしていった人たちです。
1958年の映画でもこのシーンがあり、子供の頃、とても強く印象に残っていました。

船首が沈み、船尾が大きく持ち上がります。
そして船体の真ん中から2つに折れてしまい、一気に持ち上がった船尾が叩きつけられるように下がりますが、またしても折れた中央部から浸水が激しくなって、船尾が大きく持ち上がります。
最後は略垂直のような状態で一気に北極知覚の大西洋に突き刺さるようにして沈んでしまいます。
見事な映像です。
悲劇的な話ですが、映像は見事としか言えないです。
大画面の映画館で、最高の音響効果とジャックとローズのロマンス。
大ヒットして、「リピーター」と呼ばれる何度も劇場に足を運んで映画を見る人達が出てきた映画ですね。
セリーヌ・ディオンの歌うテーマ曲も素晴らしかったですよね。


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この歌と映像は素晴らしいです。
また通して見たくなってきますよね。

 

昔、初めて見たときは、私も妻もまだ若かったわけですが、ローズに対しては冷ややかな評価でした。
没落したとはいえ、貴族。
贅沢な暮らしがそこにはあり、お金のある男と結婚することが決められていたこと。
それに逆らって自分自身の人生を生きようとした奔放な女性というイメージでした。
結婚生活も30年近くなり、娘の結婚というものも実感するとなると、随分と見方も変わるものです。
ローズは知的で、大変賢い女性です。
そして彼女は自分の足で人生を歩みたかっただけなのです。
彼女の人生を「売り物」にしようとした母親が許せない気持ちが強いですね。
そして婚約者キャル。
彼も金持ちであることがすべての基準であった人。
ローズにとっては彼は全く魅力がなく、母親に無理やり結婚させられようとしていたのです。
大富豪(成金)のキャルと持ち金がほとんどない自由な絵描きのジャック。
恋の勝負はジャックの大勝利でした。
キャルにとってはジャックなんてゴミや虫けら同然のような気持ちだったのでしょう。
情けないほどの負けっぷりでした。
執拗にジャックを追い詰めたキャルは悔しさ、惨めさの裏返しだったのでしょう。

 

 

日本という国をタイタニックに例えるというのは、本当に良くないです。
タイタニックは沈むことが決まっているからです。
この国がタイタニックになるのかどうかは、今後のあり方にかかっていますよね。
もう出港しているのでしょうか。
そうでないなら、救命ボートは乗員乗客分は用意しましょう。
乗員乗客分すら用意できていないのに、氷山に向かって走り出してしまわないようにしてもらいたいなあと思いますよね。

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