悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

イップマン外伝 マスターZ

 

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詠春拳の使い手、チョン・ティンチが主演となっている映画。
イップマン・シリーズで強い印象を残したチョン・ティンチ。
外伝作品として描かれたこの映画。

チョン・ティンチは漢字では張天志と書くようである。

「イップマン 継承」でのライバル役であった。
彼もイップマンと同じく詠春拳の武館を開いている人物で、詠春拳の使い手。
詠春拳のトップをかけてイップマンと戦う達人である。
その強さたるや、主人公のイップマンとほぼ互角で、またその潔さから、悪役というイメージはまったくない。
しかし、詠春拳の正統な人間とはなれなかった。
そのため、彼の人生はその後暗転としていく。

 

あらすじ

詠春拳の後継者争いに敗れたチョン・ティンチ。
武館は閉め、武術界からは去ってしまう。
しばらくは殺し屋などの裏稼業の仕事をしていたが、足を洗い、息子のフォンと貧しいながらも小さな食料品店を営み、幸せに暮らしていた。
フォンは父がとても強いことを誇りにしており、そこが少し不満だった。

そんな中、女性を助ける。
そのために、悪党たちとの格闘に巻き込まれてしまう。
武術は封印していても、ティンチは詠春拳の達人である。
あっという間に彼らを叩きのめしてしまうが、警察が来て、町中での乱闘騒ぎを起こしたということで、調書を取られる羽目になる。
悪党たちは香港のマフィア長楽の幹部である。
賄賂によって早々に釈放。
一方、本来は被害者である彼らが開放されるのにはずいぶんとあとになってからだった。
そのために息子の誕生日に予約していたレストランでの食事ができなくなってしまった。

長楽では幹部会が開かれていた。
長楽のボスはクワンという女性。
先代からマフィアの基盤を引き継ぐ。
彼女は裏稼業から表のビジネスへの転換を図っていた。
それに従わない先代からの幹部たりとも、その方針を進めている。
彼女の弟のキットはその方針には反対しており、アヘンの密売のビジネスをやめようとしなかった。

キット一味は、先日やられた仕返しに、ティンチの家である食料品店に火炎瓶を投げ込む。
店のシャッターをひらいいて逃げ出そうとするも、施錠されており、すぐには脱出できなかった。
やけどを負いながらも、ようやく脱出したティンチ親子だが、そこにはキット一味が立ちはだかっていた。
怪我を追っている息子を抱いて、戦うことはできず、彼らから逃走する。
途中で、以前助けた女性に出会い、息子を預けてからは、キット一味と戦うことになる。
圧倒的な強さでキット一味を撃退することができたが、息子の容体は良くない。
すぐに病院へ運び込んだ。
息子はやけどを負って、高熱を発していたが、彼女の世話もあり回復。
彼女はジュリアという女性で、バーを取り仕切る兄のフーとともに、歓楽街で働いていた。
警察にはすでにキット一味の手が回っていたのか、犯人が明らかにも関わらず、失火と断定。
ティンチ親子は帰る家もないままに、路頭に迷うことになった。
ジュリアは、バーに来るように進言する。
ティンチはバーに訪れ、ジュリアの兄であるフーと面会する。
フーは妹のジュリアとフーの彼女でもある妹の友人のナナの住むところに、彼ら親子が住むということに反対するが、結局は妹に押し切られて認める。
そしてティンチをバーで働かせることになった。
フーはかなりの人物で、このバーを営むために世話になったマフィアのクワンに対して、敬意を払っていた。

ティンチは報復にアヘン販売のアジトを襲撃し、破壊してしまう。
キットは怒り狂うが、姉のクワンに止められてしまう。
そのことが更にキットをいただたせることにもなっていく。

クワンはフーが経営するバーに客として訪れる。
そしてティンチにお金を渡そうとするのである。
彼女の理由は、弟のキットがやった食料品店の襲撃に対する賠償金で、この金で手打ちにしたいということであった。
ティンチは自分も報復にキット一味のアヘンのアジトを燃やしたので、これをそのまま返す。
彼は受け取らないものの、結局クワンはフーにこの金を渡して帰る。

フーはその後、ティンチを見直し、家族ぐるみで、以前できなかったティンチの息子のフォンの誕生日を祝うことになる。
ステーキのレストランであるデヴィッドソンの店で会食することになった。
そこでオーナーであるデヴィッドソンの手には、フォンが好きなブラックバットのブレスレッドがあった。
デヴィッドソンはある施設を訪問したときに子どもたちからもらったものだという。
デヴィッドソンは香港のビジネス界ではかなりの大物あった。

その後、デビッドソンが主催するチャリティーオークションが行われた。
表のビジネスへと転身を図るクワンは大金で落札するが、会場のメンバーの中からは裏街道に生きる長楽の金はチャリティーにふさわしくないという意見が上がる。
彼女は表のビジネスにはすぐに受け入れられていない事を知る。

そんなときに歓楽街でキット一味がアヘンを扱っていることを知り、ティンチはクアンに申し入れをする。
クアンは、了承するが、調整に時間がほしいという。

ナナはバーの近くでキットが隠していたアヘンを発見してしまう。
そしてその時キット一味に見つかり、アヘンを大量に摂取させられ、瀕死の状態になる。
ナナの戻りが遅いことでジュリアはナナを探しだしたときには虫の息の状態だったが、息を引き取ってしまった。

キットは、この町のアヘンを牛耳る大物と手を結ぶことになる。
それは表の顔とは全く違う顔を持つ、デヴィッドソンであった。
そしてキットは姉であるクアンとも敵対することになる。

ナナの死によって、ティンチとフーはクアンの事務所に乗り込むことになった。
そこにはすでにキット一味とクアンが対峙していた。
ティンチたちはまたたく間にキット一味の雑魚をなぎ倒し、キットにも手をかけようとしたが、そこは姉のクアンに阻まれる。

クアンとしては、裏稼業から表のビジネスへの転身にはまだ時間がかかることを伝えた。
倒れていたキットであったが、ティンチとクアンが闘っているときに、銃を抜いて撃ってきたのである。
クアンは弟キットの右腕を切り落とし、この右腕を切り落としたことで、手打ちにして欲しいと告げる。

そしてキットからアヘンの在り処とボスを聞き出す。
大量のアヘンを公表し、大事になっていく。
しかし、裏で手を回され、フーは罪をでっち上げられて警察に逮捕される。
警察についれていかれることもなく、デヴィッドソンの前に引き渡され、殺されてしまう。

ティンチは死体となったフーの手に握られていたブレスレッド見て、ついに裏のボスであるデヴィッドソンにたどり着く。
デヴィッドソンのアヘンを発見し、彼との格闘となる。
体格があり、パワーに優れたデヴィッドソンは強敵であったが、ついに彼を倒す。
しかし、そこにはまたしても特権を振りかざす英国人に阻まれようとしていた。
香港の警察もこれまで、賄賂によって、喧嘩両成敗もなく、放火を失火として処理し、フーを殺したことも、逮捕したが逃走し、がけから落ちて死んだという説明をしてきた。
しかし、ここまで来て、ティンチの真摯な態度に、香港の警察はデヴィッドソンのアヘンを見つけるのである。
周囲の人々もそれを見ており、もはや英国人には富めるすべはなかった。
後ろ盾を失ったデヴィッドソンは闘争するが、クアンが雇っていた殺し屋に消されてしまうのであった。

残されたジュリアと息子のフォンとの3人となり、一緒に食卓を囲むシーンでエンディングを迎える。

 


映画『イップ・マン外伝 マスターZ』特報

                                  

 

登場人物、キャスト

主人公であるチョン・ティンチを演じるのはマックス・チャンという俳優。
イケメンで、寡黙ながらも非常に色気のある俳優さんである。
イップマンシリーズの中でも圧倒的な存在感を放っていたが、以外にも武術指導やスタントマンでキャリアをスタートさせており、俳優としてのスタートは晩年からである。
一方の敵役である巨漢デヴィッドソンはデイヴ・バウディスタという俳優。
どこかで見たことがあるような気がしていたら、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」のドラックス役のひとである。元レスラーだけあってとにかくいかつい体格。
香港マフィアの長楽のボスのクアンを演じるのはミシェル・ヨーである。
「グリーン・ディスティニー」などの大作に出ている香港映画界では大物女優である。
実はグリーン・ディスティニーで武術指導し、スタントも行ったのが主演のマクス・チャンだったそうである。

後は登場シーンこそ少ないものの、「マッハ」のトニー・ジャーという俳優が凄腕の殺し屋を演じている。

 

 

見どころ

今回の作品にはイップマンは出てこない。
あくまでイップマン・シリーズの外伝でシリーズに登場したキャラクターのチョン・ティンチが主人公の物語である。
概してこういう作品は、いまいちであることが多いのだが、この映画はよくできていて面白かった。

アクションシーンが素晴らしいのは言うまでもなく、主人公の魅力が素晴らしい。
 

見どころはなんと言っても、格闘アクションである。
キレキレのカンフーはもちろんであるが、惜しげもなく繰り返して見せてもらえる。
カンフーシーンばかりではなく、適度なバランスで挿入されているので、単調ではなく、メリハリが効いている。
その中でも最も楽しかったシーンは、歓楽街の看板でのシーンである。
ネオン街のきらびやかさとは裏腹に、足場の悪いところでの格闘。
飛び移ったり駆け上ったりするさまは、ゲーム「アンチャーテッド」を彷彿とさせるシーンだった。

見て損はない一本である。

 

主人公であるチョン・ティンチを演じるのはマックス・チャンという俳優。 イケメンで、寡黙ながらも非常に色気のある俳優さんである。 イップマンシリーズの中でも圧倒的な存在感を放っていたが、以外にも武術指導やスタントマンでキャリアをスタートさせており、俳優としてのスタートは晩年からである。 一方の敵役である巨漢デヴィッドソンはデイヴ・バウディスタという俳優。 どこかで見たことがあるような気がしていたら、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」のドラックス役のひとである。元レスラーだけあってとにかくいかつい体格。 香港マフィアの長楽のボスのクアンを演じるのはミシェル・ヨーである。 「グリーン・ディスティニー」などの大作に出ている香港映画界では大物女優である。 実はグリーン・ディスティニーで武術指導し、スタントも行ったのが主演のマクス・チャンだったそうである。 後は登場シーンこそ少ないものの、「マッハ」のトニー・ジャーという俳優が凄腕の殺し屋を演じている。

 

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