悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

おやじ男優Z

Netflixで見た映画である。

いつも映画は息子や女房と見ることが多いのだが、この作品は一人でこっそり観た。そりゃそうだ、この映画を家族団らんしながら見ていたら、おかしな家庭だ、間違いない。

ほぼ私くらいの年齢のオッサンが主人公で、無名俳優。しかも主演を張るようなタイプではなく、脇役中の脇役、対策なら一瞬顔が映って終わりというくらいの扱いだろう。

この映画のおやじ男優というのはいわゆるAV(アダルトビデオ)における男優で、その世界の男優もやはりかなりのピラミッド構造である。
加藤鷹」や「しみけん」など業界に詳しくない人でも知られているトップ男優はわずかで、彼らを頂点として底辺に汁男優と呼ばれる人たちが降り、彼らにスポットを浴びせた作品である。

だいたい、汁男優を目指してなった人はいない。何らかの事情があり、汁男優を努めている。もちろんスケベ心があるからできることだろうと思うが、いくらスケベでもなかなか他人の前でチンチンを放り出してあれやこれやするなんてできない。どこか一本ネジが飛んでいるんだろうと思う。

この映画に登場する汁男優たちも彼らなりの苦悩があり、「底辺ハウス」と読んでいる古い1軒屋を借りて共同生活を送っている。底辺ハウスの名前の通り惨めな生活7日と思いや、意外に快適な暮らしに見えたりする。もちろん経済的には厳しいだろう。しかし、ある意味社会の枠組み、柵から開放された彼らの姿をイキイキと描いている。このたぐいの作品なので、ちゃんとした映画と比べても仕方がない。俳優さんたちはしっかりと仕事はしているが、いかんせん、低予算映画である。

感動もへったくれもない作品だが、この映画はものすごく受けたらしい。AVにオサレっぱなしで消えてしまったピンク映画(古い言い回しだなあ)にあって、隠れた名作ということか。

ヒロイン?の坂ノ上朝美は伝説のグラドルとも言えそうで、まるでこの映画と同じような生き方で、潔くこの世界から消えた人物。
顔立ちはお世辞にも美人とは言えないが、ものすごいグラマーで愛嬌があるタイプ。
グラドル時代は目立った活躍もなくひっそりと引退。
本人も語るようにこの映画をファンへの置き土産として引退してしまったのである。

それがである。彼女の写真集が異常に売れてしまうのである。
なんと人気絶頂のAKBなどの写真集を差し置いて彼女の写真集が売れに売れたらしい。未だに2匹目3匹目のドジョウよろしく、新しく発売されたりとか。

 

 

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  • 発売日: 2016/01/06
  • メディア: DVD
 

 

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