悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

億男

最近女房が熱を入れている?佐藤健主演の映画。
おっさんの私から見ても羨ましいくらいのイケメンだし、頭も良い若手俳優で人気がある。
女房が熱を入れているのは「恋が続くよどこまでも」というドラマを見ていたことが大きな要因。
かなりハマっていたようで、再放送や未放映シーンなどの特番があるとかじりつきで見ているようである。

ま、テレビドラマを見ない私はほとんど演技とかを見る機会がないが、佐々木希と出ていたCMでの「かむーとにゃんにゃん」というCMが印象に残っている。

この映画はお金にまつわることをテーマにしているが、最後まで見てお金の正体はこうだ!という結論があるようで全然わからない。

何が言いたかったのかというのが今ひとつボケている気がした。

兄の借金の保証人でお金の苦労を背負う主人公。そして宝くじで3億円があたったが、その金を大学時代の友人にどうすべきか相談する。友人はお金を持ち逃げするが、どうしても彼がそうする理由がわからず、彼の行方を追うというストーリー。

ただ、主演の大倉一男役の佐藤健も良いが、脇を固める俳優陣が良かった。

脇役とは言えない親友役の古河九十九を演じる高橋一生も独特の味がある。声が良いし、吃りがあるところもうまく演じている。大学の落研で知り合った二人の役柄で、落語のシーンもいくつかある。二人がモロッコへ旅行へ行って、砂漠の真ん中で古典落語の「芝浜」を演じるシーンはものすごい違和感があるもののなんだか雰囲気が良かった。九十九と一男でちょうど百になるというのもちょっと洒落が効いている。

この映画は「芝浜」という古典のストーリーを知っていれば、面白みがわかるが、知らないとちょっとついていけないところがあるかもしれない。

九十九は大学をやめてバイコムというネットビジネスを起業し、成功するが、その仲間たちがまた濃い連中。
バイコムは成功するが今が売りどきということで、売却し、彼らは大金を得る。九十九は売ることに反対していたが、他のメンバーに押し切られて売ってしまうのである。

会社のシステムエンジニアだった百瀬役が北村一輝。ものすごい太った役でコテコテの関西弁を話すちゃらけた役。怪演だが、いろんな役柄を演じられる彼ならではという気がした。
経理のボスだった千住役の藤原竜也。いつもどおりの演技だが、彼の役柄が一番嫌味なタイプ。ビジネス成功者の肩書で怪しげなセミナーを開催し、多くの「信者」から金を巻き上げる詐欺師のようなビジネスをしている。
そして秘書だった安田を演じるのが沢尻エリカ。存在だけで不思議なアクが出せる女優だが、特に強烈な印象はない。
映画の冒頭から登場するあきら(女性)役の池田イライザだが、金の匂いを嗅ぎつけて、なんとか金持ちにぶら下がろうとする女性。この物語に必要だったのかどうかは疑問。LINEの友達の名前に「雑魚」「億男」とつけて分類しているのが印象的でそのためだけに登場したのかなとも思う。
主人公の妻を演じるのが黒木華だが、夫の借金のため、別居しており、実質夫婦関係は破綻している。

結局「お金ってなんだろうね」ということを考え直す機会になるというのがテーマだと思うが、やはりないよりあったほうが良い。ただ、金に振り回される人生というのも虚しい。ありすぎてもなさすぎても結局は振り回されることになる。うまくかねと付き合って幸せになる方法とはなんだろうか。

とりあえず、貧乏人としては、こんなにお金があってどうしようというふうに悩んでみたいと思うが・・・。

 

億男

億男

  • 発売日: 2019/04/08
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

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