悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

サバイバル・ウェディング2 大橋弘祐

前作も読んで非常に面白かった。
Kindle Unlimitedにあったので、さっそく読んでみた。

長さもちょうどよくすぐに読み切れる。
デザイナーたちの成功談をもとにしたうんちく話がうざいと感じる人もいるかもしれないが、そういった点もビジネス書よりははるかに面白く読めるようにできている。
見方を変えればこのサバイバル・ウェディング・シリーズは「婚活」という「サバイバル」における生き方とともに「人生」はどう生きていくのかを教えてくれる作品でもある。
そしてビジネス書によくある男性目線の「べき論」とは違って、女性にとっての人生をあからさまな部分をさらけ出して描いている。書いている人は男性だが。

今回は前回の「さやか」と異なり「マイコ」が主人公になる。
いや、この作品の主人公は「宇佐美博人」なのかもしれない。前作と同じく今回も部長として颯爽と登場する。そして前回と同様に「お前、有名なデザイナーである○○がどうして○○になったか知ってるか?」で始まる説教じみたうんちく話が満載で、それを読むだけでも価値がある。

前回の「さやか」は結婚間近の彼氏に浮気された挙句、逆切れされ、別れることになった。寿退社した会社に出戻りとしてのスタートという展開。そして、宇佐美が登場し、半年以内に結婚しないとクビだといわれ、最終的には年下のイケメンをゲットして結婚というハッピーエンド。

今回の話も基本的には同様。ただ、今回の「麻衣子」はさらない年齢が上積みされ、35歳。同棲中の彼に出ていかれるのは同じ展開だが、妊娠可能な期限もあり、より厳しい状況。唯一の救いは前回よりも仕事ができる女という点である。負けず嫌いで弱音を吐かず、髪の毛振り乱して仕事に打ち込む姿は時として友人や後輩からも「ああいう人にはなりたくない」と陰口をたたかれる始末。

娘の結婚を望む母と自分の夢との確執。
職場では役職者として部下を束ねるが、そこで働く10歳年下の派遣社員との恋の話も出てくる。そのあたりのやり取りはコミカルな部分もあるが、女性には笑えないシーンもあるだろう。
結婚して、娘も働き、独立している「おっさん」である私が、他人の年頃のお嬢さんに対してこの本を進める東野は嫌味以外の何物でもない。


これからの時代、女性としてどう生きるべきかということを考えさせられる。
年頃であるが、油断するとすぐに賞味期限が過ぎそうな娘に読んでもらいたい気がする。

 

サバイバル・ウェディング2  わたし、ひとりで生きていけますが結婚しないとダメですか!?
 
 
 
 

 

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