悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ランチに行きましょう 深沢潮

Kindle Unlimitedにて。
いやあ、いいわ、このサービス。
色んな本が読めるので、つまらなければ読まなくてもいいし。
で、深沢潮という作家は初めて読む。

内容は保育園児を持つママたちの話。
タイトルからはそういう内容とは思っていなかった。
すでにその時代は過ぎてしまったが、女房にもそういう時代があった。
ママ友というのは面倒くさいとよくこぼしていた。
とか言いながら、ママ友家族と一緒に遊びに行ったりもしたが…。
それぞれ生きている人生が違うのだから、それぞれの価値観や考え方が違ってあたり前。
この作品に登場する5人のママ友たちはちょっと極端だと思う。
考え方を変えれば、これほどユニークな出会いはないが、当事者なら大変。
小説ならではだろう。こんな極端なママ友はなかなか出会えないものである。
医師だが、離婚したシングルマザー、怪しげなスピリチュアルにハマるママや元モデルの美人ママに、風俗業をしていた再婚同士のママ、そして目立たないけれど、外面用のお面をつけてにこやかな笑顔でいるが、心の底では何を考えているのやらわからないママ。
大体の人はお面をつけている人のタイプが多いのだろうと思う。
物凄く毒々しい内容が多く、以前読んだ「みんな邪魔」という作品を思い出した。
いや~な気分。しかし、あの作品のようにドロドロとグロい方向には向かわないのが救い。
ママ友のランチなんて、何が楽しくてご一緒しているのやら。
気の許せる友達同士でランチなら、お金を払う意味もあるが、お互いに探り合うような目的で行動を合わせるママ友。
そして探り合って、相手と比較し、自分がどの位置にいるのか、優位に立てているのかを測っていかないと落ち着かないのだろうか。
なんだか序盤はギスギスした感じの内容だが、ラストにまたお互いランチに誘い合う=少しお互いの距離が縮まったということでほっこりする部分があって救われている、そんな作品である。
「またランチに行きましょう」という言葉で救われている作品だ。

 

 

ランチに行きましょう (徳間文庫)

ランチに行きましょう (徳間文庫)

 

 

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