悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

フライト

デンゼル・ワシントン主演の映画。
Amazonプライムで通勤中にタブレットで視聴。
旅客機のベテランパイロットである主人公ウィトカー。
スチュワーデス(死語か、今はCAっていうんだっけ)の同僚とはいい関係であるが、
かなり乱れた生活ぶり。
そして一緒にフライトに出る。
乱気流に見舞われるが、機体が故障、もう墜落するしかないところを信じられない飛行テクニックで不時着する。
なんとジェット旅客機なのにまるでセスナや戦闘機のように背面飛行するのである。
旅客機で背面飛行なんてできるんだろうかと思いながら、本当にすごい絵であった。
地上150メートルを背面飛行というだけで本当にすごい絵面である。
監督はロバート・ゼメキス。ああ、なるほどと思った。
ただ、ゼメキスらしい映像はこれだけ。何がゼメキスらしいのかはともかく、バック・トゥ・ザ・フューチャーのように楽しい映画にはならなかった。
奇跡的に100名ほどの乗客乗員で死者は6名。乗客は4名、乗員は2名死亡。
そのうちの一人が今朝まで同じベッドをともにしていた彼女だった。
奇跡のフライトで一躍英雄になった彼だが、事故を調べていくうちに体内からアルコールとコカインが検出されたのである。
一転して英雄から犯罪者になろうとしている。
主人公は酒、アルコール中毒が原因で妻とも別れ、最愛の息子にも愛想をつかされている始末。
彼を救うべくパイロットの組合員と敏腕弁護士は暗躍する。
敏腕弁護士役にはアイアンマン2からローディ役(ウォーマシン)として登場した俳優。かなり強引なやり方で飲酒、コカインの検査をもみ消すことに成功。
最終的な安全委員会での公聴会で、シラを切れば刑務所に行くことはなかったが、ついに彼は本当のことを言うのである。
そして刑務所に。
ラストシーンは刑務所で息子が面会に来たシーン。
息子とは真の親子としてお互いを称え合うのである。

なんとも冒頭の墜落シーンがエキサイティング。
このシーンだけでも値打ちがあるのかもしれないが、その後はなんてことない人間ドラマに終止する。
しかしそこは名優デンゼル・ワシントン。存在感がある。
ただ、今回は知的なヒーローでも何でもなく、ただの乱れた生活を送る、アルコール中毒のおっさんの話である。
今までもお酒で散々周りに迷惑をかけていて、酒の上でのことは嘘で塗り固めている人生である。
夫婦生活も親子関係もすべて避けに逃げ込み、同仕様も亡くなっているのである。
しかし、最後も嘘で塗り固めれば刑務所に行くことはなかったが、人間として、男として自分が許せなくなったのだろうと思う。

 

なかなか味わい深い映画だと思う。

 

フライト (字幕版)

フライト (字幕版)

 

 

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