悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

トランス・ワールド

Amazonプライムで鑑賞。それもじっくり見たというよりは通勤中にタブレットで見たので何度も分割してみたような状況。
にもかかわらず印象に残った映画。全く話題にもならず、お金もかかっていない映画。ハリウッド超大作でこういうたぐいの映画が一体いくつ作れるんだろうとか考えてしまう。
しかも俳優陣も有名な人はいない。かろうじてクリント・イーストウッドのご子息が有名か。いくつか大作にも名を連ねているようだが、この映画が代表作で良いのではないかとも思う。

ストーリーはSF。タイムスリップものであるが、それがわかるのはかなりストーリーが進んでからである。
冒頭のシーンは不良カップルの強盗シーンからである。一瞬「俺たちに明日はない」のボニーとクライドを連想させるが全く違う。

森で行き倒れになる地味な女性のサマンサ。そして同じく森で立ち往生となった青年のトム。遅れて冒頭で強盗を働いた女性のジョディが森の小屋で一緒になる。
それぞれ境遇や性格が異なるため、諍いもあるが、協力しあわざるを得ない状況から次第に打ち解ける。
生まれた境遇が非常に気の毒な青年トム。彼は母の顔を知らない。死刑囚女性から生まれた男性で死刑執行8ヶ月前に生まれたという。
妊娠中で不安定なサマンサ。父親はドイツ人である。夫の両親とは折り合いが良くない。
あばずれな女性のジョディ。冒頭で彼氏を伴ってコンビニへ押し入り、レジから大金を奪う。そして店主を射殺。

しかし、周りを捜索するうちにここから脱出できないことやここがアメリカではなくドイツであることがわかる。そしてそれぞれの出身地や遭難した場所とが食い違うことから違和感。強盗した大金を見せたことから、時代が違うことも発覚する。
サマンサは1現在が962年、ジョディは1984年、そしてトムは2011年んだと主張する。

そしてついにドイツ人の兵士ハンスと遭遇する。
ハンスは男性であるトムを監禁。そしてジョディのペンダントを奪う。ジョディもサマンサもトムも同じペンダント(ロケット)を持っている。

兵士はジョディの父親。ジョディの父親はこの戦争で戦士する。そして母が再婚することになる。サマンサは娘を出産するときに夫に付き添ってもらえずに死んでしまう。母を失ったジョディは父親が頼りだったが、父が死んでグレてしまう。ジョディはこのときはまだ子供を生んでいないが、生んだ子供がトムであることはいわなくてもわかる。

低予算映画。派手なシーンも特になく、話題にすらなっていなかった映画。しかし、映画のテンポ、展開、役者の演技やシーンの見せ方など非常にキチンと作られていて、面白かった。
隠れた名作というのはこのような作品のことなのだろうか。

 

 

 

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