悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

サバイバルファミリー

小日向文世主演の映画。Amazonプライム
突然電気が全く使えなくなり、東京に住めなくなったため、妻の故郷を目指す平凡な一家のストーリー。
設定にはいろいろと突っ込みどころがあるが、家族の描写はよく、楽しめてみることができた。同時にこの親父を自分と重ね合わせたりすると、自分のほうがもっとひどいのではないかと思ってしまう。
妻ももともとは鹿児島の田舎育ちだが、東京に住むうちに便利な生活が離れられない。釣った魚を送ってもらっても、さばくのは苦手で冷凍食品やインスタントに頼りがち。子どもたちも同様。スマホを片時も離せない息子と娘、我が家も同様である。
交通機関が止まり、流通も通信も情報も何もかも止まっている状態。テレビやラジオすらないため、今どういう状況なのかは直接あった人間同士の情報交換しかない。
そんな中で会社に集金する姿も滑稽だが、情報がなければ、私もそうせざるを得ないのだろうか。特に会社と2駅ほどの距離に住む人ならそういうものだろうか。
そんな中、専業主婦ながら、やはり女性は強い。物資が不足し、物の価格が暴投している中、「ボッタクリだ!」と騒ぎ立てる旦那と違い、いろいろな交渉事も圧倒的なパワーを発揮。そういうものなんだろうと実感。
一番すごいと思ったシーンは大阪までたどり着けば、なんとかなると信じて苦難を乗り越えつつ、自転車をこいで通天閣に到着した家族。しかし大阪も状況は同じであっった。絶望感に叫び、父に当たり散らす娘、同時に今まで黙っていた息子も「偉そうに行っているだけで、何もできねーくせに」と切れる。見かねた妻がビシリといった言葉が私にはグサッと刺さった。
「そんなこととっくの前にわかっているでしょう。お父さんはそういう人なんだから」
この言葉に呆然とする旦那。

基本コメディなので笑えるシーンが多いのだが、人のことを割られない自分がそこにいて、なんだか微妙な引きつった笑いになってしまう。

 

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