悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ペット・セメタリー

スティーブン・キングの原作で、そのあたりにあまり詳しくない私でもタイトルくらいは知っているというくらいの有名な作品。あとになって知ったことだが、再映画化されるらしい。Amazonプライム・ビデオなので無料なのだが、予告編を見てしまったら本編を見るしかなくなってしまった。タイトルの意味も知らなかったのだが、ペットの墓地という意味らしい。後味もあまりよろしくなく、正月から観るような映画ではなかった。元旦から見たわけではないが、正月明けの割と早い時期に見た。すぐに感想を書くきにもならず、時間が経過してからの文章である。

医者をしている夫婦が田舎町に引っ越してくる。田舎なのだが、大型トレーラーが家の前を走る。娘のペットである猫が轢かれ死んでしまうが、不憫に思った向かいに住む老人がペットの墓地に埋葬し、医者の娘には死んだことを知らせていない。翌朝、死んだはずの猫が蘇っているが、おとなしかった性格とは異なり、荒々しい猫となっていた。

本当の不幸はこの後。今度は幼い息子がトレーラーに惹かれて死んでしまう。妻も本人もその悲しみは拭いきれない。向かいの老人にあのペット用の墓地を使うのは駄目だと諌められるが、その静止を振り切って埋葬している墓地から息子の遺体を運び出し、ペット用の墓地に埋める。

不思議な力がある土地で死者を生き返らせる事ができるが、姿形はもとのままでも人格は全く異なって蘇ってしまう。過去にも同じ過ちを犯したものがいて、その不幸は語り尽くすことができないほどの事件であったらしい。そんな禁忌を犯してでも我が子を生き返らせたい気持ちはわかるが、映画ではそのあたりの狂気をうまく描いている。

そして蘇った幼い息子。見た目はそのままだが、性格は凶暴そのもの。医者である父親のカバンからメスを盗み出し、里帰りしていた母親が戻ったところに襲いかかり殺害する。続けて向かいの老人を殺し、父親に電話をする。 「ママと遊んでいた。向かいのおじさんとも遊んだよ。今度はパパと遊びたいな」

医者である父親は息子の姿をした別物であることを悟る。毒薬を入れた注射器を幼い息子に挿して殺害し、家に火を放つ。殺された妻の遺体を抱きかかえ、息子はうまく行かなかったのは死後時間が経過していたからで、妻は殺されたばかりだから今度は大丈夫だとうそぶくシーンでエンディングを迎える。

エンディングも気味が悪いが、おさなく、可愛らしい息子が悪魔としか思えないような所業が残酷、そして父親の手にかかって死んでいくシーンも残酷。恐怖と悲しさとがないまぜになったような、感情の持って行き場のないような映画。

 

 

 

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