悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

鉄ペン

ペン先が金の万年筆、いわゆる金ペンは高価なものが多い。
中学に入学した時にプレゼントでパイロットの万年筆をもらった。
私が子供の頃は入学祝いに万年筆を貰う人が多かった。
当時いくら位のものだったのかは分からないが、3000円くらいはしていたのかもしれない。
当時としてはかなりの金額だろう。
中学に入ったばかりのお子ちゃまには全く値打ちはなかったと思う。
ブルーのインクで何度か書いているうちに飽きてしまい、インクが漏れてしまったりとかで、使わなくなる。
カートリッジの交換を1回2回したくらいでほとんど使わずに行方不明。
世の中にはそういう不遇な万年筆がたくさんあっただろうと思う。

あれから40年。もはやどこから見ても爺の域になってきた年齢である。
若い頃はボールペンで事務仕事をしてきたが、近年はめっきり手書きではなく、キーボードによる入力である。

最近は手書きがめっきり減ったので、手書きの大切さを改めて感じるようになった。
で、百均で買えるようなボールペンや鉛筆ではなく、あの独特の面倒臭さが伴う万年筆が注目を集めているらしい。
かくいう私も数年前にサファリを購入し、使ってみたりしている。
ボールペンや鉛筆とは違った味わいは確かにある。
そう思う人が今の万年筆の密かなブームを作っていると思う。

趣味といえるようなものではないが、これからどれくらいの文字を書くのかはわからない。
量から言うと圧倒的にタイピングが多く、それを超えることはもはやないと思う。
だからこそ、貴重な手書きは面倒臭さがあっても、コストがかかっても、自分の納得するペンで書きたいと思うようになっているのかもしれない。
そう思う人が増えているのではないかと思う。

とは言え、手元にある万年筆は鉄ペンばかり。
貴重なお小遣いで金ペンを購入するというのはやはり結構な思い切りが必要なんだろうと思う。
おそらく1万円くらいは最低でも必要だろうから。

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