悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

仕事は楽しいかね? デイル・ドーテン

なんとも刺激的なタイトルである。
このタイトルを問いかけられて、正直に心の底から答えられる人がどれくらいいるのだろうかと思ってしまう。
いわゆるハウツー本ではない。
成功した人たちによる成功談、こうすれば成功するということを書いたものでもなさそうである。

とある空港で主人公は奇妙な老人にである。
空港では雪の影響で飛べない状況。足止めをされている状況。
そこでこの起毛な老人から問いかけられて、この物語は始まる。
物語と言っても、この話は御伽場なりのようなものではなく、成功した人たちを例に上げながらも成功者を真似しても成功しないことを何度も言う。
こうすれば成功するということことではなく、色々と試すこと。
試すことには失敗なんてものはない。
明日は今日とは違った自分になること。
常に試すことを繰り返す。常に。
ということを懇々と問いてくれる。

奇妙な老人からの「仕事は楽しいかね」という問いかけで始まる。
そして愚痴をこぼす主人公に「人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。一つのくだらないことが(何度も)繰り返されていくのだよ。」と教訓めいたことを言ったかと思えば、そうでもない。
「試してみることに失敗はない。」ということを何度も言う。
「明日は今日と違う自分になる。」以下、老人は様々な成功者たちのエピソードを交えながら話をすすめる。
彼らを真似よということではない。

「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」という言葉が大好きな言葉だという。
「必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ。」という言葉。
「目標に関するきみの問題は、世の中は、きみの目標が達成されるまで、じーっと待っていたりしないということだよ。」
「成功するということはね、右に倣えをしないっていうことなんだ。」
「きみたちの事業は、試してみた結果失敗に終わったんじゃない。試すこと自体が欠落してたんだ。」
「ある事柄が完璧だと決め込んでしまったら、その事柄はそれ以上良くならず、ライバルに追い抜かれるのをただ待つだけだ。」
「”完璧とは、ダメになる過程の第一段階”ってことだ。」
「人は変化は大嫌いだが、試してみることは大好きなんだ。」
「あらゆるものを替えて、さらにもう一度変えること」
「あるべき状態より、良くあること」
いまは”経費を削減する人”が会社の英雄とされる時代だ
問題は、平均より上の人があまりにも多くて、みんな普通になってしまっているってこと。
「もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?」

僕たちはね、失敗するのを怖上がりすぎて、それが宇宙からの贈り物だってことに気づこうとしないんだ。
つまり結論は「何もするな、そうすれば素晴らしいアイデアがやってくるだろう」じゃない。「<あらゆること>をしろ。素晴らしいアイデアは、どこからやってくるかわからないのだから」ですね。
だれだって、後からだったら、何だって言える。確信というのは簡単そうに見えるものなんだ、後から見ればね。
覚えておいてくれ。「試すことは簡単だが、変えるのは難しい」ということを。
解決策というのは、後から振り返ってみれば、簡単に見つけられそうに思えるものだってことを
「新しいアイデアと言うのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。」
「多くの人はアイデアを持っていない。でも考えは持ってるんだよ。」
「きみが「試すこと」に喜びを見い出してくれるといいな」



仕事は楽しいかね? (きこ書房)

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

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