悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

レヴェナント 蘇りし者

この映画も相当長く、重い映画。
そしてレオナルド・ディカプリオがついにオスカーを手にした作品。
数多くの賞を取った作品で映画評論家たちの評価は高い。
監督のイニャリトゥ(読みにくい)はバードマンに引き続き、2年連続の受賞。
バードマンも営業的には今ひとつだったが、こういう作品はなかなか大ヒットで工業的に成功するのは難しいのかもしれない。
バードマンはカット編集を指定内容に見せている作品で、その部分に関しては大いに感動したが、今回の「復讐劇」もただ復讐の鬼となる主人公グラスの物語というには見どころがたくさんある映画となっている。
ただ、主題がそういうことなので、この156分もある長い長い映画を見ているとくどいと感じてしまうところもあるかもしれない。
私は十分楽しめたが、決してきれいな映画ではない。
タイタニックでレオ様〜なんて急にファンになったようなミーハーなディカプリオのファンは嫌いになってしまうかもしれない。
ちっとも格好良くはない、というか見苦しいシーンが沢山。
体を張った演技と評価されているが、そういうたぐいの映画である。
大自然を舞台にした映像はそれだけで見ごたえがあり、特に水の描写なんて本当にきれいである。
その反対に人間の姿を描いている部分はちっとも美しくはない。
ただただ痛々しい。
ヒグマとの格闘シーンがあるが、当然その部分はCGと思うが、CG全盛の今の時代にあって、大自然をバックに生き抜いていく男。
いつ死んでもおかしくない過酷な環境で生き抜いて、復讐を果たす。
言葉、文章だとただそれだけの映画なのだが、Blu-rayで見てよかったと思う。DVDだと魅力が半減するかも。

ところどころ、回想シーンというか抽象的なシーンがあり、その部分が考えさせられる部分。
最初はなんだかわからなかったが、バイソンの頭蓋骨。
先住民たちとの闘い

考えてみれば、西部開拓というのは白人から見たことであり、ひどい虐殺の歴史でもある。
日本の捕鯨がどうこういわれるけれども、アメリカのバイソンが大地を埋め尽くすほど生息していたのに、絶滅寸前まで追い込んだ。
先住民であるインディアンもそうである。
この映画では傲慢な白人の考え方が前面に押し出されている。

色々と感じて欲しい映画だと思う。

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