悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

白鯨との闘い

借りてきたブルーレイ。
久しぶりに自宅のテレビで映画鑑賞である。
巨大なクジラとの格闘映画と思ってみるとちょっと拍子抜けするかもしれないが、戦うシーンも現代のCGを駆使したもので迫力はある。
ただこの映画は巨大クジラとの闘いを描きたかったのではないと思う。
クジラを乱獲してきた人間に対する警告みたいな感じもするし。
クジラに船を壊された主人公を含む船員たちがどうやって生き延びてきたか?
彼らの体験したサバイバルは非常にむごいものである。
すべてはクジラを殺してきた天罰なのか?
そういったところか。
1800年代初頭の話であり、今のように船や機材が優れているわけではない。
クジラと変わらないサイズの母船で遠くの海まで出かけ、
(この時点ですでに冒険であり、命知らずだが)
クジラを発見すると6-8人乗りくらいの小さなボート、カッターボート?のようなものでクジラに横付けし、銛を刺す。
クジラがくたばるまで追いまくるという無謀というかとんでもない漁をしていたものである。
それはもはやマグロ漁船の比ではなく、恐ろしい職場環境である。

当時、アメリカでは鯨油が貴重品で商売として成り立っていたらしい。
あんな船を大海へ繰りだして漁をするくらいだからかなりの利益があったのだろう。
リスクに見合った利益がなければあんなことはするまい。
狙われたのはマッコウクジラ
その頭の中に脳油があり、それが非常にきれいに燃焼する上質の燃料であったらしい。
石油が使われるまでは油といえば、クジラであったらしい。
クジラの貴重な命を油のために乱獲したアメリカが今更捕鯨を禁止してクジラを特別扱いしているのは非常に違和感を感じる。
畑で菜種でも植えて油を取るならわかるが、クジラを殺して油にするとは…。
クジラの脳油を取った後はおそらく食べ物としては消費せずに捨てているのだろう。
愚かな。

それにしても昔の捕鯨のやり方があまりにもおおざっぱというか、雑すぎて違和感を感じる。
映画で誇張はあるかもしれないが、それでもあり得ない。
私が小学校のころの教科書に書かれていた捕鯨船、母船とキャッチャーボートと比べるとあまりにも装備らしい装備がなく、マンパワーで押し切るとは…。
ある意味すごい。

映像はきれいである。さすがブルーレイ。
そしてかなり緑のフィルターがきつめであると感じる。
映像の効果を狙ったものだと思うが、全編を通して緑っぽい感じ。

見て損はないと思う。
劇場に行ってみてもよかったかもしれない。迫力映像が楽しめただろうし。

ラッシュの時のロン・ハワード監督作品。
主人公は同じくクリス・ヘムズワース。我が家ではマイティ・ソーだが。

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