悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

10・15モード燃費とJEITA2.0

自動車の燃費測定で不正があったというのが少し前に話題になっていた。
三菱自動車のデータ改ざんなどである。
まあ、あの不正は本当に許されるものではない。完全な嘘っぱちであるからだ。
ただ、嘘っぱちではない、ちゃんとテストした燃費のデータも実際にどの程度信用できるのかは微妙である。
まあ、公平な基準であるのでいろいろある車種を選択するうえで物差しになるのは確かだ。
ただ、それだけである。
10・15モード燃費で

同様のことがパソコンのバッテリー駆動時間でもいえると思う。
JETIAという電機業界が定めた測定法であり、それ自体は物差しとして機種を選定するうえでどのパソコンがバッテリーの持ちがいいのかある程度基準になると思う。
ただ、それで出されている駆動時間というのがマユツバである。
カタログにはバッテリー駆動時間15時間とか大々的に書かれているが、そんなにもつはずがないのである。
脚注に小さく、JETIA1.0/2.0における数値で実際には使用状況により異なりますと書かれている場合がほとんどだが、大きく駆動時間を掲載してそれを売りにしているパソコンなどは詐欺じゃないの?ともってしまうのも当然だろうと思う。
ま、10・15モード燃費も測定法をちゃんと調べるといろいろと数値のまやかしがある。
時速40キロまで加速するテストに14秒とか現実離れしている。
最も効率の良いエンジン出力の上げ方をシミュレーションしてその通りにプログラミングして測定しているのであろう。
ものすごくよい数値が出るはずである。
それはそちらの専門に聞いてもらいたいところだが、パソコンのバッテリー駆動時間の測定も同様でこれまではJETIA1.0という古い規格で測定されてきた。
しょぼい動画を再生し続け、それをCPU負荷状態として計測。それをAとする。
そしてもう一つのテストはデスクトップ画面をひたすら表示するだけ。それをBとする。
AとBの駆動時間を足して2で割る。
要するに負荷状態と負荷のかかっていない状態でのバッテリー駆動時間の平均を出すってことらしい。
しかし、このJEITA1.0はいかんせん古い。
当時は動画(MPEG1.0の320×240どっとだったかな?)の再生というのはCPUにとってはそれなりに負担の重い作業だったと思う。
しかし現在のCPUのパワーからすれば本当に軽い作業である。
そしてもう一つのテストBはそれこそ、輝度を下げ、CPUを仮死状態のような状況を作ってしまえば、恐ろしく長い時間バッテリーがもつ状況を作り出せる。
こんなテストでは現実のPCの利用時間とはかなり乖離してしまう。
そこで改めたのがJEITA2.0ということらしい。
JEITA1.0と比べるとかなり測定側にとっては不利な条件である。
フルHDの動画再生。H264/AVC。結構負荷がかかる状況である。
そして条件として輝度も指定があり、同時に無線LAN通信状態というのも加わった。
動画再生のテストAもデスクトップ画面表示のみのテストBも輝度と無線LAN通信状態というのでJEITA1.0と比べると本当に厳しいと思う。
ただ、それでもこれらのテストは条件さえ守れば良いのである。
そして理系のバリバリの方が、測定の上で良い記録を出そうと本気を出せば、それはきっと素晴らしい数値が出るのである。
無線LANの通信でも電力が消費するのはアクセスするときなど。
いったん通信してしまえば、大きなデータを流し続けない限り、それほど電力は不要なはず。
ここでも現実とはかなり違う条件で行っていると思う。

まあ、こんなことの繰り返しなのだろう。

あくまで物差しに過ぎない。
現実は利用方法によるとしか言えない。
しかしそれでも不正はいかんよな。
それともどこでも少しくらいの不正はやっているものなのだろうか。

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