悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ソロモンの偽証 宮部みゆき

先に映画を見て、そして本を読んだ。
文庫版では500ページ以上の本で6冊。
ハードカバーのごつい本で3冊にも及ぶ長編である。

映画も十分面白かったが、原作を読むと、テーストはそのままだが、細かいところがぜんぜん違う。
映画では主要人物、主人公の藤野涼子を中心に描かrている。
もちろん原作でも主人公であるが、それ以上に取り巻きの人物たちが細かく描かれている。
立ち位置も微妙に違う。
映画と原作。どちらも良い作品だと思うが、比べてしまうとやはり圧倒的に原作がいい。
原作を読んでから映画を見ると不満が続出するかもしれない。
なので映画を見てから本を読んでちょうどよかったとも思える。

文庫の最期に付属している、卒業後弁護士として活躍している藤野涼子
うーん、これは要らなかったかな?とも思う。
そして弁護士?
そう映画を見た人は違和感があるが、映画の冒頭では卒業生藤野涼子が教師としてこの学校に戻ってきて現在の好調にその武勇伝を聴かせることから始まる。
原作では藤野涼子は教師ではなく、教師は野田健一で、校長に語り聞かせるのも彼の役割である。
映画で前田の兄が野田くんの役だったが、どんな教師を想像できるか。
原作でも藤野涼子と擬似裁判で戦った弁護士である神原和彦。
ほのかな恋を匂わせてい入るが、原作の最期にはしっかりと夫として、学者としてそばにいるようである。

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