悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

チャッピー

警官ロボットが人工知能(AI)を得て、人格を持ち、成長する。
ロボットから見た人間模様が描かれている映画。
ウルヴァリンヒュー・ジャックマンも出演。
そしてエイリアンのリプリーことシガニー・ウィーバーも出演しているが、あまりよい役柄ではない。
というよりもヒュー・ジャックマンの配役は最悪の人間。
ある意味ギャングたちよりもたちが悪い。

シガニー・ウィーバーが社長のハイテク企業、インド系の技術者のディオンは優秀で、彼の作ったロボットは犯罪都市の南アのヨハネスブルグでは人間警官の代わりに危険な職務を忠実にこなす警官ロボットであり、大ヒット商品となった。
彼と同様に技術者でもあるヒュー・ジャックマンが演じるムーアは自分の自慢の戦闘ロボットが高コストで過激。評価は高くなく、面白くない。
評価の高いディオンは人工知能の開発に余念がない。そしてついに完成させる(天才か?)。
となるとどうしてもロボットに搭載してテストをしたくなるというのが科学者であり、技術者の性でもある。
彼は戦闘で大きな損傷を受けた廃棄予定のロボットを無断で持ち出し、その頭脳に人工知能を埋め込む。
まさに開けていけないパンドラの箱を開けてしまったわけだ。
その廃棄ロボットはバッテリーの交換ができない状態で後5日ほどの寿命である。
人工知能を得たと言っても生まれたばかりの赤ん坊と変わらず、これから教育を経て成長するわけである。
ギャングたちは警官ロボットにより、犯罪を犯すのが非常に困難になってきた。
ギャング団のボスに1週間以内に大金を支払うことを約束させられたギャング一味は警官ロボットの開発者を誘拐してロボット警官の停止方法を聞き出そうとする。
丁度ディオンが廃棄ロボットにAIを埋め込んだその後、ギャング一味に襲われる。
何も知らない、おどおどしたロボット。ギャングたちはとんでもないしつけをするが、次第に仲間としての意識も高まってくる。
彼らはロボットに名前をつけた。チャッピーと。
ディオンの予想を遥かに超えてチャッピー、AIは成長する。
そして約束の1週間よりも前に現金輸送車をギャング一味と襲う。

一方、ムーアはディオンを陥れるために、システムを破壊し、全部の警官ロボットを使いものにならない状況にしてしまう。
AIで動いているチャッピーは影響を受けないが、今まで治安維持に役立っていた警官ロボが全く動かなくなり、街の治安は一気に悪化。
そしてムーアはこの状況に乗じて自慢の高コスト巨大破壊マシンを投入する。
彼の狙いはディオンであり、チャッピーであった。
チャッピーは学習を続けすさまじい勢いで成長する。人間的な感情も持ち、自分がバッテリーが切れたら死んでしまうことを知る。
そして「生きたい」と強く願う。
彼は意識(AIの中心となる物そのもの)を取り出すことに成功する。
ムーアの破壊マシンとの戦闘でようやく勝利するが、もはやズタボロ状態で、ディオンも瀕死の状態。
チャッピーは生きられないロボットを作った「創造主」ディオンを一時怨みはしたが、結局は一生懸命彼を助けようとする。
そしてディオンの意識を取り出し、最期に残ったロボット1体にディオンの意識を転送する。
マシンとなったディオンはチャッピーを救うべく、ムーアに破壊されたシステムを戻して1対のマシンにチャッピーの意識を転送する。

ハッピーエンドである。
ギャングたちはほとんど死んでしまう。
どうしようもない悪党たちばかりだが、チャッピーにとってはかけがえのない家族。
チャッピーは「ママ」と読んでいた女性の意識を以前取り出しており、その意識をロボットに転送し、よみがえらせるというエンディング。

息子は「生きたい」と心から願うチャッピーの姿に「涙腺がヤバい」と。
うーん、なかなか良かった。
前評判は今一つの映画だったが、なかなか良かったのである。
「第9地区」の製作者の映画らしいが、確かに映像や荒れた治安などは似ている。
ロボコップとも似ているところがある映画。

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