クリント・イーストウッド監督作品。
クオリティが高いt映画ファンからの評価が非常に良い作品。
ただ、娯楽映画として楽しむには辛い作品。
戦闘シーンなど生々しく、輝かしい戦績を誇る主人公だが、そのヒーローぶりとは正反対に心が蝕まれていく。
戦争に携わり、命を落とした人間も生還した人間も悲惨すぎる。
ようやく戦争での心の傷が癒えた主人公が同じ帰還兵との会う約束で出かけ、彼に殺されてしまうとは。
このエンディングを見ると、心のやり場がなくなるような映画。
実話だけに余計になんとも言えない後味の悪さが残る。
ただ、イラク、アルカイダとの闘いでイラク側のスナイパーとの闘いは見応えがある。
こちらの主人公もアルカイダに対しては大変な戦果を上げて恐れられていたと思うが、もとより聖戦として命を捨ててかかっている狂戦士たちである。
一方米兵はいくら鍛えあげられているとはいえ、見えない位置からの的確な射撃は脅威である。
それだけにハラハラしてみていたのだが、最期のCGがちょっとこの映画にはふさわしくないと思った。
何よりも冒頭のシーン、母親と幼い息子が米軍に向かって攻撃を仕掛けるが、果たして彼ら心はどこにあったのだろうか。いきなりスナイパーとして辛い選択を迫られる。英雄である主人公は判断を間違えることなく、爆弾を持ってこちらを攻撃する意志がありと見て射殺する。
戦場で命のやりとりをいくつも目にし、また仲間を失ったりするのを見て、強い気持ちで戦地に赴いていた主人公も次第に壊れていく。
悲惨である。
この戦争は何だったのだろうか。
あの9.11とこの戦争の因果関係は?
シリアスに進む映画。きちんと作られて評価も高いが、戦地から戻って我が子を抱くシーンはちょっと手抜きすぎる。
あまりにも赤ちゃんが人形丸出しで、それが気になって仕方がなかった。
私よりも女房がそこに突っ込んでいたが、多くの方がその辺りが気になったようである。
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