悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ワイルドカード

ジェイソン・ステイサム主演の映画。
出だしは冴えない男の役で、ラスベガスで用心棒というか何でも屋みたいな人間のニック・ワイルドという役柄。
あまり強さを感じない。イタリアンマフィアに対しての警戒に対してもちょっと雰囲気が違うと思っていたが、やっぱり強かった。
ギャンブル依存症の男。ここを離れて生きていくことができない心が弱い男。

元恋人がイタリアンマフィアの男に暴行を受ける。
報復をしたいと主人公ニック・ワイルドに持ちかける。
ニックはイタリアンマフィアは手強いし、ヤバい。やりたくないと断るが、断りきれず、しぶしぶマフィアの宿泊するホテルへ単身で向く。しかも丸腰で。
たちの悪いイタリアンマフィアは屈強な二人の大男を従えている。しかも銃も所持している。圧倒的な劣勢のはずが、あっという間に二人の用心棒を倒し、マフィアも縛り上げる。
そして元恋人の復讐。結局殺すということはしなかったが、ヤクザとしては泣き事のオンパレードで情けない姿を晒すことになる。
これが後にまた災いを起こす。当然予想できること。
マフィアの部屋にあった現金も奪って二人は街を出ることにする。元恋人は街を離れ、ニックもそのつもりだったが、最後の夜にラスベガスでブラックジャックに興ずる。
その夜のニックはつきが回ってきたのか、目標である50万ドルをゲットする。これで晴れてこの土地からおさらばできる筈。
だが、50万では足りない。もっと勝てると思い、次の勝負をしてしまう。
結果としてすべてを失い、元の木阿弥。予想できた展開というか、馬鹿である。
そうニックはギャンブル依存症、賭け事から離れらず、この街から去ることができない人間。
これほどの強さを持っているのにこの街でひっそりと用心棒のようなことをして暮らしている理由がそこにある。
彼に用心棒を依頼してきた若者がいた。(物語の冒頭でもある)
その若者は若くして大金を稼いでいたが自分の弱さをよく知っていた。それを補うためにニックに近づいたのだが、ニックにも弱さがあることを知る。
イタリアンマフィアが二人の用心棒がニックによって射殺されたとラスベガスのマフィアのボスに訴え出る。
ニックはラスベガスのボスとイタリアンマフィアとともに話し合いの場に。
ニックはイタリアンマフィアを襲撃したことは認めたが、ラスベガスのボスに「俺が殺しで銃を使うと思うか」という言葉を言う。
そしてその時にかれの体につけた傷を知っている、だから服を脱げという。これはイタリアンマフィアにとって大変な屈辱。
元々はこのイタリアンマフィアの男が悪い。女に対して恐怖を感じさせてもてあそぶということをし、更に暴行を加えて放り出したのである。
元恋人であるこの女性は復讐として同じ屈辱をイタリアンマフィアに味あわせた。植木バサミで大事なところをちょん切るというわけである。
そりゃマフィアも泣きを入れるだろう。部下の前で恥を晒したこの男はそれを隠すために殺し、そしてそれを濡れ衣としてニックにかぶせようとしたわけである。
ラスベガスのボスは馬鹿ではなく、すぐに意図を見抜く。恥の上塗りはイタリアンマフィアである。
さらなる腹いせにニックを徹底的に追い詰めようとした。彼は人を殺さないと高をくくったのかもしれない。
ラストシーンでニックはイタリアンマフィアたちを殺してしまう。この街から離れる=ギャンブル依存から抜けるという意思を示したというシーンである。
好き嫌いは別れるところ。
相変わらず化け物じみた強さを発揮している。そういうステイサムのファンにはそういうところ見て、だらしないところも見れるのでお徳ではないかな?


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