悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

小さいおうち

昨晩テレビで放映していた。
その前日に日本アカデミー賞の受賞式。
海外で高い評価を受けたようなこの映画。
見ない訳にはいかない。

地味な映画。
一言で言うとそういう映画。
女房は好きそうな映画。派手な恋愛映画でもなんでもないけれど、タキという一人の女中によってこの映画は語られていく。
お金持ちの家に東北からやってきた地味な女中タキ。
赤い屋根の家は素敵で、優しい旦那様ときれいな奥様。そして奥様の子供。
田舎から出てきた若い娘であれば憧れるような素敵な家である。
きれいな奥様と一緒に暮らすタキは女中として生活したあの時期こそが彼女の最も充実した人生だったのだろう。
晩年彼女の手記によってこの物語が描かれている。

テーマはそんなありきたりのものだけではなく、奥様の浮気という問題。
タキは奥様と若い芸術家肌の男性との良くない関係を止めたく、奥様に会いに行くのではなく、その弾性に手紙を書くように提案する。
そしてその手紙をタキが届け、来るかどうかは彼に任せようと提案。
結局、男性は現れなかった。
それもそのはず、奥様の手紙はタキがずっと預かったまま、つまりは渡していなかったという話。
なぜ奥様の手紙を渡さなかったのかは色々と読者、視聴者に任せようということなんだろう。
スケールの大きな話ではないが、個人としては無視できないテーマだけにこの話に引き込まれる人もいると思う。

ちなみにこの映画で黒木華は第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞したらしい。
日本アカデミー賞でも受賞。
ただし、優秀助演女優賞。あまり価値を感じない賞だなあ。
助演???
どう見てもこの映画の主人公だと思うが助演?
主演は松たか子ということ?
だから日本の映画はダメなんだろうなあと思う。いや、まあ余計なことか。

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