悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

偉大なるしゅららぼん

女房がBOOKOFFで買ってきた本。

「プリンセストヨトミ」の作者である万城目学の本である。
話題の映画でテレビで見たが、なんじゃこれ?という感じで全然面白くなかった。
今回もそういうイメージが最初からあったが、映画は見ていないので本から読んでみた。
メチャクチャな設定であるが、現代のファンタジーと考えるならこれはこれであり。
そして登場人物がみんなユニークで共感する部分もあり、本の世界にすんなりと入れた。
読後は今度は映画を見てみようという気になった。
TSUTAYAに行ったが、レンタル中ですべて空きはなし。人気があるんだろうか。新作でもないのに。

映画は面白くもなんともなかった「プリンセストヨトミ」だが、この作品を読んだら、本を一度読んでみようかという気になる。

ストーリーは高校生、日出涼介が主人公の学園物語。
そして琵琶湖が舞台。そして石走という架空の街。
日出涼介はある能力を授かったものとして日出家本家に高校から下宿することになった。
日出家には独特の特殊能力があり、それを使ってこの地域を支配してきた。
この血を収めてきた武家を追い出し、ついにはこの土地の城を手にしたのがお祖父さんの代。

日出家本家の息子が涼介と同い年の淡十郎。
この淡十郎がすごく個性的で面白い人物である。
そして彼の姉がまたすごい人間。最強のひきこもりである清子。
日出家のお手伝いとして勤めるパタ子さん。
そして淡重量の父親で本家のボスである淡九郎。
石走城が本家の家で涼介はそこに下宿、つまり城住まいで、登校は船でお渡りになる。

彼ら日出家にはライバルの棗家がいて、またそこの息子が同じ学校である。
彼らもまた特殊能力を持っており、互いにその力を牽制しあってきたという歴史がある。

そんな中第三の勢力が登場し、話はややこしくなる。
日出家、棗家ともに窮地に立つことになるが、ここは共同戦線を張り、その力に対抗。

憎いライバルは日出家に城を追われた速瀬家。
速瀬家の娘も同じ学校。そして父親はその高校の校長である。
ライバルの校長がつまりは第三勢力として登場し、日出家、棗家はこてんぱんにやられてしまう。
そして琵琶湖から去るように脅されるが、速瀬校長は実は傀儡であり、彼を操る黒幕がおり、なんとあの人畜無害の男こそがすさまじい能力を持った第三の男だった。
彼の能力は日出家に封印された過去があり、その記憶も消しされていたが、その能力が再び目覚め、過去の記憶も取り戻す。
最期はホロリとする場面もあり、なかなかに味わいのある作品だった。
ただのお笑い、ドタバタ喜劇ではない面白さがある。

偉大なる、しゅららぼん

偉大なる、しゅららぼん

この真っ赤っ赤な制服にもちゃんと意味がある。(いや、ないけど)

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